MISC

2012年7月

イメージングサイトメーターを用いた単層カーボンナノチューブの細胞毒性評価の研究

J Toxicol Sci
  • 永野麗子
  • 加藤晴久
  • 遠藤茂寿
  • 丸順子
  • 宮内亜里沙
  • 中村文子
  • 篠原直秀
  • 内野加奈子
  • 福田真紀子
  • 衣笠晋一
  • 橋本尚
  • 岸本充生
  • 小原佐和枝
  • 藤田克英
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37
Supplement 1
開始ページ
S229
終了ページ
S229
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.14869/toxpt.39.1.0.P-145.0
出版者・発行元
(一社)日本毒性学会

近年、高速蛍光バイオイメージング技術の開発が進み創薬における薬物評価、薬物スクリーニングなどに応用される傾向にある。イメージングサイトメーター(IN Cell Analyzer 2000)は、短時間で生きたままの細胞の様々な現象を高速にイメージングし、そこから得られる生化学的情報を迅速に定量し統計解析ができる大変優れたシステムである。本研究は、このIN Cell Analyzer 2000を使用して、細胞培地中におけるスーパーグロース-単層カーボンナノチューブ(以下、SG-単層CVNT)のヒトII型肺胞上皮細胞(A549細胞)への毒性影響を調べるために、SG-単層CNTを超音波処理により平均粒子径285.4nm, 長さ200nm、懸濁CNT濃度0.87μg/ml~87μg/mlの安定かつ均一に培地中に分散させた培地調製液を作製後、A549細胞へ6~48時間の暴露試験を行った。培地調製液に含まれる単層-CNTの2次的物性の計測は、CNTサイズ、形態、濃度、塩濃度、不純物濃度、分散安定性、およびタンパク吸収性に着目しTEM, UV, ICP, SEM-E, TG、DLS、FFF法によって細胞毒性試験と並行して行った。暴露試験後、IN Cell Analyzer 2000により細胞画像を取得し、解析ソフトウエアであるDeveloper Tool Box1.9によって画像解析を行った。解析項目は、細胞生存数、DNA合成率(EdU)、酸化ストレス(ROS),アポトーシス(Caspase 3/7)とした。その結果、酸化ストレスは、87μg/mlで48時間から有意に増加する傾向が見られたものの細胞生存数、死細胞数、およびアポトーシスについては、コントロール群と比して有意な毒性影響は認められなかった。本試験によって、イメージングサイトメーターは単層-CNTの細胞毒性影響を調べるツールとして有効であることが確認された。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14869/toxpt.39.1.0.P-145.0
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201302253427002349
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005008744
URL
http://jglobal.jst.go.jp/public/201302253427002349
ID情報
  • DOI : 10.14869/toxpt.39.1.0.P-145.0
  • ISSN : 0388-1350
  • 医中誌Web ID : 2013204994
  • J-Global ID : 201302253427002349
  • CiNii Articles ID : 130005008744
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000283730157

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