共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

第一原理シミュレーションによる3次元磁場プラズマの大域的・動的輸送現象の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K03801
体系的課題番号
JP19K03801
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

本研究課題では、複雑な3次元非軸対称のトーラス型磁場構造をもつステラレータ型磁場閉じ込め装置内のプラズマ輸送現象について、乱流および衝突性(新古典) 輸送と加熱入力等のバランスで決まる大域的・動的な分布形成過程を明らかにすることを目的としている。プラズマの大域的・動的輸送現象を取り扱うためには、磁場閉じ込めプラズマの第一原理であるジャイロ運動論に基づいたシミュレーションを行う必要がある。本課題における具体的な目標としては、1) 保存型解法に基づいた大域的full-fジャイロ運動論コードであるGT5Dを3次元磁場配位へと拡張し、2) GT5Dを用いた大域的乱流輸送シミュレーションによって3次元磁場プラズマの大域的輸送特性を調べることである。
今年度は、まず、前年度までに開発した3次元磁場版GT5Dコードについて円滑な計算実施に向けた計算コードの整備を行った。続いて、数値的安定性や数値パラメータ依存性などについて詳細に調べた。3次元版GT5Dではプラズマ境界外側領域において極端な数値不安定性が発生することがあり、その原因究明のための広範なパラメータサーベイを実施した。その結果、時間発展計算部の収束判定精度やプラズマ境界形状を表現するための解像度を上げることで不安定性を解消できることがわかった。また、次にトーラスプラズマの基礎的な微視的不安定性である線形ITG不安定性についてパラメータサーベイを実施し、GT5Dを用いてITGの線形成長を確認することができた。さらに衝突性の新古典輸送を精密に再現するための衝突項の拡張・改良に取り組んだ他、前年度終わりに開発した滑らかな磁気座標系構築手法についての論文発表を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K03801
ID情報
  • 課題番号 : 19K03801
  • 体系的課題番号 : JP19K03801