共同研究・競争的資金等の研究課題

2010年 - 2012年

ミクロRNAを用いた血管細胞分化増殖制御による新規心血管治療法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
22390265
体系的課題番号
JP22390265
配分額
(総額)
19,110,000円
(直接経費)
14,700,000円
(間接経費)
4,410,000円

虚血性疾患に対する外科的バイパス術後の移植グラフ血管、特に静脈グラフトの劣化やステント治療後の再狭窄などは、平滑筋増殖による内膜肥厚などの血管リモデリングが原因となっている。本研究では、ウサギ頸動脈バイパスモデルを用いて、ミクロ RNA-145(miRNA-145)が平滑筋増殖抑制に特異的に作用する性質を応用し、内膜肥厚抑制効果について検討した。コントロール群(遺伝子導入なし)とmiR-145導入群(自家静脈グラフトにエレクトロポレーション法にてmiR-145を導入)の2群に分け、日本白ウサギの頚動脈を自家頚静脈グラフトに置換し、その後の内膜肥厚について評価を行った。4週間後の新生内膜の厚さ及び内膜/中膜面積比は有意にmiR-145群で小さかった。また、平滑筋分化の指標であるSM-1及びSM-2免疫染色においてmiR-145群において増殖型が抑制され、細胞増殖の指標であるKi-67免疫染色でもmiR-145群において内膜肥厚部の細胞増殖が抑制されていた。以上の結果から、血管平滑筋フェノタイプを制御できるmiR-145を自家静脈グラフトへ遺伝子導入することで、新生内膜増殖による移植グラフトの内膜肥厚を抑制できるため、外科的バイパス術後のグラフト開存率が改善されることが期待できる。さらにはウイルスベクターを用いない遺伝子導入法を用いた事で、基礎研究段階から臨床応用への可能性も拡がったと考えられた。

リンク情報
Kaken Url
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-22390265/22390265seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-22390265
ID情報
  • 課題番号 : 22390265
  • 体系的課題番号 : JP22390265