2020年11月26日
探究の共同体における理科授業デザインフレームワークの開発―小学校第3学年「音の性質」の実践を事例として―
理科教育学研究
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回数 : 20
- ,
- 巻
- 61
- 号
- 2
- 開始ページ
- 251
- 終了ページ
- 262
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.11639/sjst.20017
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本理科教育学会
本研究では,共同体で構築した文化的人工物と科学概念との齟齬の解消にいたるプロセスの解明とその促進のための理科授業デザインフレームワークの開発を目的とした。Garrison(2016)が措定した探究の共同体(CoI)フレームワークは,認知的側面,社会的側面,教授的側面からなる,目的的学習環境における共同体理論である。実践した授業は小学校第3学年「音の性質」の単元である。事例分析により,教授的側面における実践の原則が機能し,社会的側面及び認知的側面に働きかけることにより,文化的人工物と科学概念との齟齬の解消にいたるプロセスとして,次の3点が明らかになった。(1)教授的側面における実践の原則が社会的側面に機能することで,思考の表出が促進され,合意形成が図られ,文化的人工物が構築されること,(2)教授的側面における実践の原則が認知的側面に機能することで,概念の精緻化が図られ,根拠に基づく科学的な概念が構築されること,(3)文化的人工物と科学概念との齟齬に対してアセスメントが行なわれることにより,ファシリテーション原則及び直接指導の原則が機能し,その齟齬の解消に向けて科学的に妥当な文化的人工物が構築されることである。これにより,CoIフレームワークに基づく理科授業デザインによって,実践ベースで機能する授業デザインフレームワークを開発できた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11639/sjst.20017
- ISSN : 1345-2614
- eISSN : 2187-509X
- CiNii Articles ID : 130007944810
- CiNii Research ID : 1390004951542659328