共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

前近代中央ユーラシアの南北交通システムの総合的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H00723
体系的課題番号
JP18H00723
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円

本研究は,前近代の中央ユーラシアにおける南北の交通の実態,及び当該地域の諸集団による交通システムの構築・維持への主体的な関与のあり方を解明することを目的とするものである。第二年度である本年度は,初年度の現地調査によって得られた情報・知見に基づく分析を進めるとともに,計画に基づいて,史資料の収集・整理と解読を行い,二回の研究会の開催,中華人民共和国青海省における現地調査を実施した。
研究会では,研究の進捗状況の確認と現地調査を含む研究計画の打合せを行うとともに,現地調査及び各メンバーの研究成果の共有と議論を目的とする研究報告を行った。代表者の舩田及び分担者の小沼(2件)・山本が報告を行ったほか,清代青海を専門とする岩田啓介(日本学術振興会特別研究員)を招き,本課題に関わる重要な史資料・現地情報を得ることができた。
8月末から9月初めに中国青海省において,西寧から玉樹に至る南北交通に関わる遺跡と遺物を調査した。吐蕃・唐からモンゴル・ジュンガルなどを経て,清に至るまでの,城郭・寺院・交通に関する史跡,石碑や岩壁銘文などの文字資料,博物館展示の遺物資料を調査した。これらと並行して,黄河・長江の上流域の水系とその渡河地点(通天河渡口),日月山(ニンダーラ,グング・メル山),バヤンカラ峠など,交通に密接に関連する景観やランドマークの確認を行った。また,青海民族大学のチベット語文献の文献室を見学し,史料収集状況を確認した。以上を通じて,チベット高原の農耕・牧畜地帯を貫き、フフノールのステップ地帯,河西回廊の農耕地帯,さらにモンゴル高原・トルキスタンや中国本土へつながる交通路を検討するための重要な情報を獲得することができた。
成果公表面では,国内外の学術雑誌における論文掲載,国内学会・国際学会などにおける研究発表,図書分担執筆及び国際共同研究集会開催の形で幅広く行うことができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H00723
ID情報
  • 課題番号 : 18H00723
  • 体系的課題番号 : JP18H00723

この研究課題の成果一覧

論文

  4

MISC

  1

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  4