共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

自己調整学習者を育てる21世紀の成人学習環境デザイン原則の構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)
  • 美馬 のゆり
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  • Vallance Michael
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  • 室田 真男
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  • 市川 尚
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  • 渡辺 雄貴
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  • 美馬 義亮
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  • 根本 淳子
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  • 鈴木 克明

課題番号
18H01056
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円

本研究では、21世紀に必要な成人の能力を明らかにし、教育工学の観点から自己調整学習の理論を発展させた「共調整学習」「社会的に共有された調整学習」の概念をもとに、異なる学習場面、大学教育(フォーマル)、職場研修(ノンフォーマル)、地域活動(インフォーマル)に共通して利用可能な教材開発を行い、成人学習環境のデザイン原則を構築することを目的としている。
「自己調整学習者を育てる21世紀の成人学習環境デザイン原則の構築」のため、調査研究を行った。
①21世における成人に必要な能力を、書籍や大学や企業のカリキュラム、OECDやユネスコなどの国際間組織の報告書や提言書、関連組織におけるインタビューなどから明らかにした。2018年OECDはEducation 2030プロジェクトの成果を簡潔にまとめた中間報告書「教育とスキルの未来」を発表した。この中では、これまでの教育目標をさらに広げ、従来の主要能力のカテゴリーに、変革を起こす能力のカテゴリーを追加した。変革を起こす能力は、新しい価値を創造する力、緊張を和らげジレンマを解消する力、責任ある行動をとる力、という3つの要素からなる。この中には、自己調整、自己コントロール、自己効力感、責任感、問題解決、適応力などを含んでいる。
②共調整学習、社会的に共有された調整学習に関する関連研究を調査し、①の能力の獲得に必要な前提知識、要素技術を探し、それらの新規性や優位性について検証した。本研究の理論的側面として、土台となる自己調整学習の概念は、学習を個人の中のものとする学習観に根差している。近年の認知心理学、学習科学などで起こった学習観の転換、学習を実践共同体への参加のプロセスとみなすことや、協調的な学習に対して、自己調整学習の概念には限界がある。そこで、複数人の活動に着目した共調整学習や、地域活動などがモデルとなりうる社会的に共有された調整学習に着目し、これらの違いを明らかにした。