2019年10月
仮性動脈瘤胆道穿破の2症例
胆道
- 巻
- 33
- 号
- 4
- 開始ページ
- 768
- 終了ページ
- 776
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.11210/tando.33.768
- 出版者・発行元
- 日本胆道学会
<p>症例1:66歳女性.切除不能膵癌に対し化学療法施行中,下血を来し入院となった.造影CTにて胆道出血が疑われ,S状結腸に逸脱した胆管金属ステントを認めた.ERCPを施行するも,活動性出血は認められず経過観察とした.第8病日に吐血があり再度CTを施行すると,造影剤の胆道流出を伴う膵十二指腸動脈瘤を認め,動脈塞栓術にて止血した.症例2:67歳男性.門脈腫瘍栓を伴う肝癌に対し陽子線治療後,再発なく経過していたが,胆嚢炎を発症し入院となり,同日PTGBDを施行した.翌日,ドレーンより血性胆汁の流出を認め造影CTを施行したところ,右肝動脈瘤破裂と診断された.広範な門脈血栓を合併していたため動脈塞栓術は困難と判断し,冠動脈用ステントグラフトを留置し止血を得た.</p><p>異なる背景,機序により仮性動脈瘤胆道穿破を来した2症例を経験した.肝胆膵疾患治療の進歩と多様化に伴い,胆道出血は注意を要する合併症である.</p>
- ID情報
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- DOI : 10.11210/tando.33.768
- ISSN : 0914-0077