共同研究・競争的資金等の研究課題

2002年 - 2003年

システム・オペレータの認知技能獲得過程に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
14510181
体系的課題番号
JP14510181
配分額
(総額)
2,600,000円
(直接経費)
2,600,000円

発電プラント・オペレータの初期教育訓練過程の実態を記述した。オペレーターの初期教育訓練は、1年間の初期集合教育(現場実習を含む)から始められるが、職場に配属されてからの実操作を伴うOJT(On the Job Training)が具体的なプラントシステムの具体的なイメージ作りに繋がり、非常に効率的だと受け止められている。従って、サブシステムごとに数多くのOJTが設定され、具体的な操作方法およびその手順の習得が優先されている。また、その教育訓練過程には、従来からの徒弟制度的な方法が根強く残されており新人オペレータの学習意欲にのみ依存する体質が残されている。OJT全体を通して、教育訓練方法のストラテジー確立が必要な状況である。
プラント運用全体の効率化が進められ、オペレータの人員削減や教育訓練期間の短縮が実現している中で、マニュアルに定められた具体的な操作方法のみならず、機器の動作原理やその背景にある理論の理解に基づく推理力など、変化する状況に対応する応用力の養成が大きな課題となっている。このような応用力は、トラブルシューティングや操作ミスの未然防止などにおけるオペレータの必須能力であり、多くの現場実践経験の蓄積、およびハードウェアシステムの正確なメンタルモデルによるメンタルシミュレーションによって、状況の把握や対応方法が検証され、的確なプラント運用を支えている。
そこで、OJTの効率化や正確なメンタルモデルの獲得を支援するために、サブシステムとしてのボイラの起動を取り上げ、簡便な操作マニュアル付属資料を試作した。資料は、系統図(物流および制御機構)、シーケンス図、制御モード図から成り、これらの図のみでシステム機能のシミュレーションが可能なものである。プラント運用現場のオペレータの意見では、試作資料の有用性がみとめられたが、今後はOJT場面での指導方法の検討が必要である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-14510181
ID情報
  • 課題番号 : 14510181
  • 体系的課題番号 : JP14510181