2013年12月
リスク受容有権者がもたらす政治的帰結:2012年総選挙の分析
選挙研究
- 巻
- 29
- 号
- 2
- 開始ページ
- 48
- 終了ページ
- 59
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.14854/jaes.29.2_48
- 出版者・発行元
- 日本選挙学会
本論文は,有権者のリスク態度に焦点を当てることで,投票選択に関する従来からの問いに新たな答えを与えるものである。政権交代はしばしば急激な政策変化を伴い,その政策変化は経済や社会に良くも悪くも不安定性をもたらす。それゆえ,そうした不安定性を嫌うリスク回避的な有権者は選挙において,たとえ与党に不満を感じようとも野党を支持せず,再び与党に投票する傾向が見られるであろう。反対に,リスク受容的な有権者は政権交代を求めて喜んで野党に投票するかもしれない。本論文では,2012年12月の総選挙後に行われたJapanese Election Study V(JESV)のデータを用いて,この仮説を検証する。多項ロジットを用いた統計分析の結果,政党支持態度や経済評価の影響を考慮してもなお,2009年に民主党に投票したリスク受容的な有権者は2012年において自民党もしくは維新の会へと投票先を変える傾向にあったことが示された。
- リンク情報
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- DOI
- https://doi.org/10.14854/jaes.29.2_48 本文へのリンクあり
- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/130006247000
- ID情報
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- DOI : 10.14854/jaes.29.2_48
- CiNii Articles ID : 130006247000