2012年10月
掘込地業と版築からみた古代土木技術の展開
文化財論叢Ⅳ
- 開始ページ
- 961
- 終了ページ
- 990
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
古代東アジアにおける掘込地業および基壇に使われた版築技術の系統を解明するため、版築技術の分類をおこなった。その結果、土と礫を交互に積み重ねるA工法、一定の厚さで土砂を変えて版築するB工法、同じ土だけで版築するC工法、A工法とB工法を融合させたAB工法、以上4つに分類できる。また、A工法は中国北朝→新羅→日本、B工法は中国南朝→百済→日本、C工法は北朝から日本へ直接伝わり、AB工法は百済や日本など複数の地域で時期を違えて認められるなど、系統別に整理した。さらに、こうした各工法の伝来は、国家レベルの関係変化が背景にあったことを推定した。