2019年4月 - 2022年3月
基質としてのプリン体がもたらす健康障害の本態
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
プリン体代謝は痛風、あるいは血清尿酸値との関連で語られることが多いが、プリン体代謝自体による生体への影響、特に生活習慣病(インスリン抵抗性)への影響は十分検討されていない。
本研究は、プリン体の摂取、特に過剰な摂取によってもたらされた代謝変化および代謝産物が、キサンチンオキシダーゼ(XOR)を介し、高尿酸血症と独立して臓器障害をもたらすかを検討し、さらに各種組織特異的XOR欠損マウスおよび、XORのペプチドワクチンによって、肝・脂肪・小腸といった主要XOR産生臓器および、臓器障害を生じるXORの候補である血漿・マクロファージ・血管内皮でのXOR活性を抑制した際の、インスリン作用(肝臓・筋肉・脂肪)、熱産生(褐色脂肪)、非アルコール性肝炎(肝臓)について、尿酸の代謝を抑制したモデルと比較するものである。
本年はXORの配列を用いた合成ペプチド投与によるワクチン接種を行い、その抗体価を測定することが可能となった。またXORワクチンを投与したマウスでは血漿中のXORのタンパク量が減少しており、ワクチンの効果が証明された。このワクチン投与マウスにおいてNASH誘導食を投与した際の肝所見を検討し、現在解析中であるが、肝の炎症が抑制されている可能性がある。
さらに、プリン体代謝を阻害するキサンチンオキシダーゼ阻害剤によって糖尿病腎症モデルであるKK-Ayマウスの腎症害の進展を抑制できることを証明し、報告した。
本研究は、プリン体の摂取、特に過剰な摂取によってもたらされた代謝変化および代謝産物が、キサンチンオキシダーゼ(XOR)を介し、高尿酸血症と独立して臓器障害をもたらすかを検討し、さらに各種組織特異的XOR欠損マウスおよび、XORのペプチドワクチンによって、肝・脂肪・小腸といった主要XOR産生臓器および、臓器障害を生じるXORの候補である血漿・マクロファージ・血管内皮でのXOR活性を抑制した際の、インスリン作用(肝臓・筋肉・脂肪)、熱産生(褐色脂肪)、非アルコール性肝炎(肝臓)について、尿酸の代謝を抑制したモデルと比較するものである。
本年はXORの配列を用いた合成ペプチド投与によるワクチン接種を行い、その抗体価を測定することが可能となった。またXORワクチンを投与したマウスでは血漿中のXORのタンパク量が減少しており、ワクチンの効果が証明された。このワクチン投与マウスにおいてNASH誘導食を投与した際の肝所見を検討し、現在解析中であるが、肝の炎症が抑制されている可能性がある。
さらに、プリン体代謝を阻害するキサンチンオキシダーゼ阻害剤によって糖尿病腎症モデルであるKK-Ayマウスの腎症害の進展を抑制できることを証明し、報告した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K11784
- 体系的課題番号 : JP19K11784