共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

がん間質での特異的免疫応答に着目した新規口腔粘膜炎治療の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K11824
体系的課題番号
JP17K11824
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

平成30年度は研究計画に従い、口腔癌由来がん関連線維芽細胞モデルを用いて、研究を行った。前年度の解析の結果、歯肉線維芽細胞と口腔癌由来がん関連線維芽細胞モデルを比較すると、がん関連線維芽細胞は特異的な免疫機序を有していることが分かったため、さらに腫瘍免疫関連の解析を行った。その結果、腫瘍細胞がT細胞の活性を低下させるをPD-L1(programmed cell death-1)のmRNA発現が口腔癌細胞よりも口腔癌細胞から誘導されたがん関連線維芽細胞のほうが優位に高発現していることがわかった。また、腫瘍細胞がNK細胞と細胞障害性T細胞を活性化するMICA(クラスⅠ鎖関連タンパク質A)のmRNAも同様に口腔癌細胞よりもがん関連線維芽細胞で優位に高発現していることがわかった。また、MMP-1(matrix metalloproteinase 1)も歯肉線維芽細胞と比較し、がん関連線維芽細胞で高発現していることが分かった。昨年の研究結果より、がん関連線維芽細胞ではCOX-2,VEGF(血管内皮細胞増殖因子)が歯肉線維芽細胞と比較し高発現していることから、以上の結果を踏まえるとがん関連線維芽細胞はがん細胞と比較し、癌の浸潤・転移に関わる腫瘍免疫において重要な役割を担っていることが推察された。口腔癌由来のがん関連線維芽細胞モデルをもちいて、口腔粘膜炎における初期免疫応答能における役割のみならず、腫瘍浸潤・転移についても今後の研究で行っていきたいと考えており、平成31年度も研究を進めていく予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K11824
ID情報
  • 課題番号 : 17K11824
  • 体系的課題番号 : JP17K11824