共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2023年3月

唾液メタボローム解析による膵癌早期診断システムの構築に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)
  • 板倉 淳
  • ,
  • 市川 大輔
  • ,
  • 杉本 昌弘

課題番号
18K07262
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

膵癌における低侵襲的な早期診断システムの開発は膵癌の生存率向上にとって重要である。
これまでもポリアミンは、尿中バイオマーカーとして様々な癌腫で発現が報告され、唾液中にもその発現が報告されてきた。膵癌の新しい早期低侵襲的診断システムの確立のため、我々はキャピラリー電気泳動-質量分析法を用いたポリアミンを含む唾液中代謝物質の発現を解析した。
今年度はこれまでに採取した49例の膵腺癌症例(PC群)と、対象として49例の嚢胞性病変(IPMNを含む)(B群)と2315例の健常者(C群)の唾液標本の解析を行った。
検体はLC-TOF-MS(液体クロマトグラフィー飛行時間型質量分析装置)より幅広く物質の同定を行った。49症例のうち男性/女性は26/23人で、平均年齢69.7(51-83)歳、stageI(n=4)、stageII(n=2)、stageIII(n=21)、stageIVa(n=15)、stageIVb(n=6)であった。メタボローム解析では、515の代謝物質の特定と定量化が可能であった。これらのうち75物質は高頻度に検出され(1グループにつき少なくとも>50%)、さらにPC群と対象群(B+C群)の比較では44物質で有意(P < 0.05)にPC群での高発現が認められた。44物質中ポリアミン(N8-アセチルスペルミヂン、N1,N8アセチルスペルミヂン)は初期膵癌症例(stageI+II)においても健常者(C群)に比べ有意な発現が認められた。今回の解析では、膵癌の一般的なバイオマーカーであるCA19-9値は初期膵癌症例(stageI+II)で健常者群(C群)に比べて有意差は認められず、本解析方法を用いた唾液中ポリアミン類を中心としたメタボローム解析が膵癌早期診断システム構築に応用できる可能性が示唆された。

ID情報
  • 課題番号 : 18K07262