論文

2012年5月

過去12年間の入学時UPIの回答分類とその後の精神保健上の問題との関係について

CAMPUS HEALTH
  • 久蔵 孝幸
  • ,
  • 大崎 明美
  • ,
  • 川島 るい
  • ,
  • 斉藤 美香
  • ,
  • 武田 弘子
  • ,
  • 佐藤 千可子
  • ,
  • 朝倉 聡
  • ,
  • 武藏 学

49
3
開始ページ
15
終了ページ
20
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公社)全国大学保健管理協会

自殺する大学生が、生前に大学内の精神保健資源を受診するのは20%を下回る。これは資源活用をさらに高める事で自殺予防となる側面を持つが、同時に精神保健の資源を回避する性格特徴をもつ学生がいると考えることもできる。そこで、過去12年間の新入生をUPIにより分類し、その中で在学中に自殺した者の分布や受診行動を調べることにより、自殺者の生じやすい群の存在を確認し性格特徴を検討した。新入生をUPIの反応に基づき分類したところ、全般的愁訴群、精神的愁訴群、快活健康群、不安・対人緊張・焦燥・強迫群、能動性有り・不安無し群、能動性無し・不安群の6群に分けることができた。この中で、能動性無し・不安群では自殺者が多くみられた。また、この群と快活健康群の学生はより受診しない傾向がみられた。全般的愁訴群は受診勧奨の有無に関わらず期待されるよりも多く受診をしていた。これらから入学後に自殺につながりやすく、さらに受診に否定的である群の存在が確認された。自殺予防の観点からは、これらの性格特徴にあわせて学生個々に対する予防教育的アプローチが重要になると思われた。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1341-4313
  • 医中誌Web ID : 2012295518

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