2008年12月
家庭内監護の困難な児童のWISC-IIIの認知的アンバランスと処遇の相関について
北海道児童青年精神保健学会会誌
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- 巻
- 号
- 22
- 開始ページ
- 29
- 終了ページ
- 34
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 北海道児童青年精神保健学会事務局
札幌市児童福祉総合センター(札幌市児童相談所)において、家庭内暴力や児童虐待等複合的な要因により家庭内での監護が困難となり、一時保護による家庭分離を要した児童の中で、さらに背景にHFPDDか疑われた児童10例について、WISC-III等の評価結果とその後の処遇との間の関係性について検討をした。WISC-IIIの12の下位検査の評価点のSD(標準偏差)を認知的なアンバランスの指標として、その後の転帰との順位相関を測定したところ、SDが大きい児童であるほど処遇先に要求される生活環境の構造化の程度が高いことがわかった。このことはSDが困難事例の処遇を検討する際に一つの判断材料を提供する可能性があるということと、あるいは間接的に、児童の能力的なアンバランスの大きさは、それ自体が家庭等においては育児の困難の直接的な要因となり得て、家庭分離をも含む養育環境の機能低下につながりうることが推測された。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- 医中誌Web ID : 2009057639
- CiNii Articles ID : 40016415398
- CiNii Books ID : AA1217074X