2011年 - 2014年
近縁病原細菌における情報伝達クロスレギュレーション進化の体系的解析
文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(A)) 若手研究(A)
平成23年度に実施した研究の成果として、まず、近縁病原細菌における情報伝達クロスレギュレーション進化の体系的解析を進める上で基礎となる二成分制御系(two-component system, TCS)遺伝ストックの構築を開始した。まず、サルモネラにおいてレスポンスレギュレーター(RR)/センサー・ヒスチヂンキナーゼ(HK)ダブル欠損株の構築が行われ、欠損の確認が進行中である。また、種々の菌株でレポーターアッセイを行う際、共通に用いられるRRの代表的ターゲット遺伝子のプロモーター/GFPレポーターシステムの構築を行った。次に共同研究の成果として、二成分制御系のセンサーHKがシグナルを受容後、自己リン酸化によって生じる副産物ADPによりフィードバッック調節を受ける分子機構についての研究成果をMolecular Cellに発表した。また、リポポリサッカライド修飾と二成分糸御系の活性化状態を繋ぐsmall geneについての研究成果を得ている。センサーを抑制するsmall RNAが、LPS修飾酵素を抑制する疎水性ペプチドをコードし、多段階的なフィードバック調節を形成していることを明らかとした。更に、phosphotransferase system (PTS)とTCS間でのクロスレギュレーションを仲介する因子RcsGについての単離と解析が行われた。これらの研究成果は学術誌においても近く公表される見込みである。
- ID情報
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- 課題番号 : 23688013