2020年4月 - 2025年3月
患者の体内で再生する自家結合組織代用血管の臨床応用の適応拡大をめざした多角的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
前年に引き続き結合組織代用血管に化学処理・脱細胞化処理を加えた同種・異種組織応用技術の開発を行った。新たに開発した物理特性計測システムを用いて、様々な検体について種々の力学的パラメータ計測を行った。
生体内組織工学代用血管をビーグル犬皮下で作成し、脱細胞化処理での処理前後の比較試験では、脱細胞後も十分な強度が保持されていることが観察された。
またビーグル犬で作成した脱細胞組織を同種移植するパイロットスタディーも行い英語論文化した。
さらに臨床応用例についてもさらに長期の報告をまとめて行った。
脱細胞化プロトコールについても以前用いていた方法を見直し、全体で約7時間の処理で十分な脱細胞化が行えることを組織学的評価・DNA定量で確認した。しかし実際の同種移植臨床応用を想定するとさらに短時間の脱細胞化処理が望ましいと考えた。 グラフトが粗な構造であるため通常の生体血管の脱細胞処理よりも短時間での処理が可能と考え、様々な処理条件で処理時間の短縮を試みた。界面活性剤の灌流時間は短縮できる可能性が示唆されたが、洗浄などの全ての工程を含め顕著に短縮する事は実現できなかった。そこで、今年度はより処理効率を高めるために、還流ではなく、大量の処理液を用いて強く振盪する方法を開始した。この方法では特殊な設備が不要なため、手術室など臨床現場における様々な場所での処理が可能となり、より手技を簡便にできる可能性もあると考えられた。今年度はまだ処理方法の最適化は行えなかったため、次年度は更なる処理時間の短縮と最適化を目指し、脱細胞化処理条件の開発を行いたいと考えている。
生体内組織工学代用血管をビーグル犬皮下で作成し、脱細胞化処理での処理前後の比較試験では、脱細胞後も十分な強度が保持されていることが観察された。
またビーグル犬で作成した脱細胞組織を同種移植するパイロットスタディーも行い英語論文化した。
さらに臨床応用例についてもさらに長期の報告をまとめて行った。
脱細胞化プロトコールについても以前用いていた方法を見直し、全体で約7時間の処理で十分な脱細胞化が行えることを組織学的評価・DNA定量で確認した。しかし実際の同種移植臨床応用を想定するとさらに短時間の脱細胞化処理が望ましいと考えた。 グラフトが粗な構造であるため通常の生体血管の脱細胞処理よりも短時間での処理が可能と考え、様々な処理条件で処理時間の短縮を試みた。界面活性剤の灌流時間は短縮できる可能性が示唆されたが、洗浄などの全ての工程を含め顕著に短縮する事は実現できなかった。そこで、今年度はより処理効率を高めるために、還流ではなく、大量の処理液を用いて強く振盪する方法を開始した。この方法では特殊な設備が不要なため、手術室など臨床現場における様々な場所での処理が可能となり、より手技を簡便にできる可能性もあると考えられた。今年度はまだ処理方法の最適化は行えなかったため、次年度は更なる処理時間の短縮と最適化を目指し、脱細胞化処理条件の開発を行いたいと考えている。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H03767
- 体系的課題番号 : JP20H03767
この研究課題の成果一覧
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講演・口頭発表等
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第60回 日本人工臓器学会大会 2022年11月5日