共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

経済学と実験心理学の協働による景観の経済的価値に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

課題番号
19H01490
体系的番号
JP19H01490
配分額
(総額)
17,290,000円
(直接経費)
13,300,000円
(間接経費)
3,990,000円

森林・海岸や緑地といった環境の価値を評価するにあたって、アンケートを用いて非市場的な価値への支払い意思額を評価する表明選好法が開発されてきたが、その妥当性については未だに議論が多い。特に、評価対象に関する情報を如何に正確にアンケート回答者に提示するかという点は表明選好法を用いる際の大きな課題となっている。
屋外空間の景観など、環境に関する情報の一部を視覚情報として与え、その価値を定量的に評価する手法をこれまでの研究で開発したが、2020年度には、表明選好法の枠組みの中で、情報伝達方法の違いが支払い意思額に与える影響を分析するために、VR技術を用いて、仮想空間内での人間の基本的な行動特性を確認しながら、3次元で再現した景観の中で実験参加者が情報を能動的に取得できる環境を評価させるという実証研究に取り組んだ。
従来の表明選好法の手法では、評価対象となる環境等の2次元画像を見せ、アンケートを用いて非市場的な価値への支払い意思額を評価するという手続きがとられる。このような手法の妥当性を検討するため、視点が固定された2次元の画像を与えられたときと、3次元情報を持った画像が与えられ、実験参加者がその3次元空間内から能動的に情報を取得した場合では環境に対する評価にどのような違いが生じるのかを、支払い意思額と心理的な評価指標の両面から検証した。スマートフォン対応の3次元画像閲覧アプリケーションを活用し、大規模なオンライン調査によりデータを収集した。さらに、オンライン調査と同じ景観の3次元画像および2次元画像を使用して、簡易VRゴーグルを用いて参加者が自ら頭部を動かして能動的情報を取得する条件下における評価の違いを検討する実験を行い、これらの成果を二つの学会において報告した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H01490
ID情報
  • 課題番号 : 19H01490
  • 体系的番号 : JP19H01490

この研究課題の成果一覧

論文

  1

MISC

  1

講演・口頭発表等

  1