共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

刑事憲法学の手法を用いた刑事立法分析枠組の構築に関する比較法的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K01357
体系的課題番号
JP20K01357
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究課題は、刑事立法の活性化状況の中でのあるべき刑事立法分析枠組の構築という目標の下、立法者を直接拘束することができ、かつ、憲法訴訟の場において適用可能な立法分析枠組の構築を目指すものである。その際に、ドイツにおける刑事憲法学の手法を用いる点に特色がある。令和3年度においては、1) ドイツにおける刑事憲法学の基礎文献の翻訳、2) 刑法基礎理論、特に規範論の観点から見た刑事立法分析と刑事憲法学の理論的関係、3) 責任主義の憲法的地位に関するドイツの文献調査、4) 刑事憲法学の手法を用いた日本の罪数規定(刑法54条)の立法のあり方についての研究を実施した。
1) については、ドイツにおいて刑事憲法学の議論に大きな影響を与えているKlaus Ferdinand Gaerditz(aeはaのウムラウト)の論文(JZ 2016, 641)の全訳を行った。同論文は令和4年度中にオープンアクセスにて公表される。
2) については、ドイツの規範論の日本刑法学への影響を分析し、規範論の整理・精緻化作業を行った上で、それが立法分析に対して持つ含意を分析した。そこから、行為規範と制裁規範を区別し、それぞれについて憲法適合性の判断を行うという立法分析の暫定的モデルを構築した。このモデルの妥当性検証は令和4年度以降の課題である。
3)については、令和2年度に行ったドイツの判例分析の継続課題である。実際にドイツ憲法理論において、ドイツの責任主義の判例がどのような理論枠組みに基づいて正当化されると考えられているのかについての分析を行った。その具体的内容については、令和4年度中に論文として公表する予定である。
4) については、日本刑法54条を削除することは憲法違反になりうるとの主張を受けて、その指摘は刑事憲法学の観点からは妥当とは言えないとする分析結果を示した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K01357
ID情報
  • 課題番号 : 20K01357
  • 体系的課題番号 : JP20K01357

この研究課題の成果一覧

論文

  3

MISC

  3

講演・口頭発表等

  3