共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年5月 - 2020年3月

摂食シグナル胆汁酸の分子栄養学的機能解析と食品成分による摂食応答制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)

課題番号
15H05781
体系的課題番号
JP15H05781
配分額
(総額)
192,010,000円
(直接経費)
147,700,000円
(間接経費)
44,310,000円

コレステロールの異化産物である胆汁酸は、肝臓で生成され胆嚢に蓄えられる。摂食に伴い胃内に食事内容物が満たされると、これが刺激となり胆嚢が収縮し、胆汁(主成分は胆汁酸)が小腸上部へと分泌される。小腸管腔内で脂質成分の消化・吸収を助けたのちに胆汁酸の90%以上は小腸下部に取り込まれ、肝臓へと戻る、いわゆる腸肝循環をする。この過程で一部の胆汁酸は全身血流へと巡るため、摂食後に血中胆汁酸濃度は一過的に上昇する。この濃度上昇は摂食シグナルと考えられ、これを認識する標的分子が胆汁酸受容体TGR5である。代表者らは骨格筋でのTGR5の機能解析のために、ヒトTGR5を骨格筋に発現させたトランスジェニックマウスを樹立し、その解析を行ってきた。その結果、胆汁酸結合によりTGR5が活性化されると、骨格筋細胞のcAMPが上昇し、このシグナルが筋肥大効果をもたらすことを認めた。このマウスを高脂肪食投与により耐糖能異常状態にし、経口グルコース負荷試験を行った。その結果、血糖値の穏やかな上昇、その後の速やかな血糖低下が確認され、筋量増加が耐糖能異常改善に結び付くことを明らかにした。さらに、肝臓におけるTGR5の発現変動を追跡した結果、絶食時にTGR5 mRNAが上昇することを認めた。TGR5遺伝子のプロモーターの解析を行い、この発現制御機構は絶食応答により活性化する転写因子p53の作用によることを見出し、その制御機構の解析を進めた。摂食時に上昇する胆汁酸に呼応して肝臓TGR5の果たす生理的役割についてさらに解析を進める。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05781/15H05781_saitaku_gaiyo_ja.pdf
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05781/15H05781_saitaku_shoken_ja.pdf
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05781/15H05781_kenkyu_shinchoku_hyoka_gaiyo_ja.pdf
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05781/15H05781_kenkyu_shinchoku_hyoka_keka_ja.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15H05781
ID情報
  • 課題番号 : 15H05781
  • 体系的課題番号 : JP15H05781