共同研究・競争的資金等の研究課題

2014年7月 - 2019年3月

酸素受容・活性化に伴うリガンドシグナルの生成と制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
26111011
体系的課題番号
JP26111011
配分額
(総額)
113,750,000円
(直接経費)
87,500,000円
(間接経費)
26,250,000円

1.生体内酸化修飾分子の網羅的解析:LC-ESI/MS/MSを用いて、マウス個体、培養細胞における、酸化修飾イミダゾールジペプチドの産生と酸化ストレスとの関連性を明らかにした。また、安定同位体酸素、ラジカル補足剤を用いて酸化修飾の分子機構を明らかにした。
2.酸素活性化を起源とするタンパク質酸化修飾による生体防御応答機構の解析:タンパク質をピロール化する内因性因子の同定を目標に、糖質および脂質などについてスクリーニングを行なった結果、脂質過酸化生成物であり、解糖系分子でもあるグリコールアルデヒドを同定した。一方、植物性小分子酸素センサーであるポリフェノール類に関して、抗酸化剤の作用により生成するタンパク質カルボニルが自然抗体のエピトープとして認識される作用機構について詳細に解析した結果、タンパク質表面の陰性荷電がその認識に関わっていることが推測された。
3.タンパク質酸化修飾を基軸にした修復・再生応答機構の解明:ホモシステイン化アルブミンの研究では、ホモシステイン化が遊離SH基だけでなく、ジスルフィド結合にも生じるという画期的発見に至った。心筋が低酸素環境下で活性酸素を生成する機構の解析の結果、アントラサイクリン系抗がん剤は心筋細胞に多く含まれる酸素貯蔵タンパク質ミオグロビンから鉄を引き抜き、貯蔵酸素を解離させることで低酸素ストレスを誘発することを見出した。また、低酸素誘導性のTRPC3チャネルタンパク質がNADPH酸化酵素(NOX2)を複合体形成依存的に安定化し、増加したNOX2が活性酸素を生成することで、心筋萎縮を誘発することをマウスで明らかにした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-26111011
ID情報
  • 課題番号 : 26111011
  • 体系的課題番号 : JP26111011