MISC

2016年3月

HBV感染被害による肝がん患者の生活困難とケア

日本福祉大学社会福祉論集
  • 岡 多枝子
  • ,
  • 片山 善博
  • ,
  • 三並 めぐる
  • ,
  • 越田 明子

134
開始ページ
79
終了ページ
90
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本福祉大学社会福祉学部

HBV感染被害による肝がん患者の生活困難を明らかにする目的で、面接調査と質的研究(KJ法)を行った。肝がん患者は、感染判明時の【不十分な告知】による治療開始遅れの中で肝がんを発症し、【重篤な病苦】と生命の危機に瀕していた。また、病状悪化による【就労困難】や、長期の治療に要する医療費を【賄えない】逼迫した状況、経済基盤を失うことによる親密な【絆の喪失】、摩擦を避けて自主規制する【差別不安】を余儀なくされていた。一方、当事者による情報交流で【支え合う】姿や、病に【向き合う】意思など、自らの病と対峙する姿、感染理解に関する【意識改革を】望む姿や、恒久的な肝がん【対策の希求】も語られた。以上のことから、肝がん患者の重層的な生活困難が明らかになり、保健医療や福祉制度の拡充によるケアの必要性が示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1345-174X
  • 医中誌Web ID : 2016239936

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