43歳男。10年前に2型糖尿病を発症してからインスリン治療中断歴がある。糖尿病性網膜症に対する二相性インスリンアスパルト投与直後より局所の膨疹、全身のそう痒感・蕁麻疹が出現した。免疫学的検査でヒトインスリン特異的IgE 3.28IU/ml、クラス2陽性であり、プリックテストではヒトインスリン、インスリンアナログの全てで15分後に発赤を認め、即時型インスリンアレルギーと診断した。プリックテストで発赤径が最小であったインスリングラルギンを用いた減感作療法を開始した結果、3週目には全身性アレルギー反応をきたさずインスリングラルギン1単位/日以上の投与可能となった。半年後には14単位/日投与下でアレルギー反応をほとんど認めず、ヒトインスリン特異的IgE 1.71IU/mlと低下を認め、HbA1c値7.5%まで改善した。