共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年 - 2006年

黄色ブドウ球菌による重症感染症の起炎菌と宿主要因の多角的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17390130
体系的課題番号
JP17390130
配分額
(総額)
12,400,000円
(直接経費)
12,400,000円

成人におけるトキシックショック症候群(toxic shock syndrome, TSS)は黄色ブドウ球菌感染症のなかでも最も重症化あるいは致死性の高い疾患である。1998年には新生児のTSS,新生児TSS様発疹症(neonatal TSS-like exanthematous disease, NTED)を提唱した。NTED患児の多くは臨床症状は軽度であり、自然治癒する。いずれの疾患でもスーパー抗原TSST-1(TSS toxin-1)による応答性Vβ2+T細胞の過剰活性化に続く過剰のサイトカインが疾患発症機序に一義的に関与している。科学研究費基盤Bにより多くの研究がなされ、下記の成果を得た。1)スーパー抗原によるT細胞活性化にはT細胞の補助シグナルCD28の関与が必要であることが明らかにされた。2)ベーチェット病患者から分離された口腔細菌からはスーパー抗原は検出されなかった。3)TSST-1のT細胞活性化作用を抑制する注射用漢方薬を見出した。4)黄色ブドウ球菌とC群レンサ球菌から新規のスーパー抗原staphylococal enterotoxin-like toxin P(SelP)とStreptococcus dysgalactiae mitogen Gを発見した。5)新生児疾患NTED起炎黄色ブドウ球菌の細菌学的解析を行った。6)重症NTEDを報告した。患児はDICと冠動脈拡張を呈し、応答性Vβ2^+ T細胞は成人型の増幅を示した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17390130
ID情報
  • 課題番号 : 17390130
  • 体系的課題番号 : JP17390130