1997年 - 1998年
固体表面に構築した分子認識素子の状態計測
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
平成9年度は固体表面に構築したセレクターの選択、合成、クロマトグラフィーによる検討などの基本的な検討を行った。また、界面選択的或いは界面近傍の情報が得られる種々の分析法のための新規装置の構築を行った。即ち、界面近傍の情報を得る方法として新規角度依存全反射熱レンズ分光法を開発した。また、同様にエバネッセント領域をプローブする表面プラズモン共鳴法についても表面のダイナミックな分子の挙動を捉えるための新規装置を作製した。界面第1層に選択的な方法として表面第二高調波発生(s-SHG)装置を現有のYAGレーザーを用いて作製した。平成10年度は更に上記方法を改良した。全反射熱レンズ分光法ではガラス・溶液界面における色素の吸着挙動を明らかにした。S-SHGでは共鳴による高感度化を達成した。即ち現有の色素レーザーと組み合わせ、当研究室でクロマトグラフィー用固定相として開発した光スイッチング性アゾベンゼンをガラス基板上に構築し、この状態をs-SHG法により解析することが可能となった。即ち光照射によってcis/transの異性化をする挙動をtrans体の吸収波長の2倍の波長の励起光を用いることにより観測することが可能となった。更に、界面の固体側の状態をパルスレーザー誘起光音響分光法により解析した。その他、分子関相互作用を液体クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動法により検討した。以上の研究は米国Mt.Sinai医科大学J.B.A.Ross教授らとの国際共同研究に発展した。
- ID情報
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- 課題番号 : 09650895
- 体系的課題番号 : JP09650895