2020年7月 - 2023年3月
古代末期~中世ビザンツ期城塞の年代測定にむけた物質的・統計的アプローチの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
城壁建築の年代決定のための科学的な根拠を模索しようとする本研究は、建材(転用材、 礫石材、煉瓦材、接着用モルタル材)に注目して、建材の積み方の様式変化と、建材の風化による損耗度に注目する二つのアプローチを試みることとした。フィールドはリキア地方の沿岸から内陸にかけて、検討対象はこの地域の10~20程度の城壁とし、新型コロナウィルスによる海外渡航制限が解除されない場合には、建材の風化による損耗度に絞り、沖縄等の石灰岩製城壁を対象にデータを蓄積するとともに、調査の有効性を探ることとした。
しかし緊急事態宣言に依って国内調査も不可能と判断し、実験室レベルでの弾性波速度試験機による強度試験・硬度測定試験を行った(遠方の研究分担者はリモートで参加)。リキア地方の石灰岩を含む多様な石材について試験的なデータを採取し、以下の課題が明らかとなった。
1.同一測定物の複数回の測定結果が必ずしも安定しない。→測定対象物の表面劣化が進んでいる場合にはさらなるデータ収集の困難が予想され、対象物との接着面の工夫が必要になる。
2.試料の不足から、建材の風化による損耗度を測定できない。→リキア地の城壁建築で用いられている石灰岩と煉瓦材・モルタル材の風化速度を予め推定するためには、多量の試料が必要である。もしトルコ・日本での現地調査ができない場合には、日本で入手可能で「物性的にリキアの石灰岩と最も近い石材」を確定したうえで試料を集め、弾性波速度試験機によるデータの蓄積が必要である。
しかし緊急事態宣言に依って国内調査も不可能と判断し、実験室レベルでの弾性波速度試験機による強度試験・硬度測定試験を行った(遠方の研究分担者はリモートで参加)。リキア地方の石灰岩を含む多様な石材について試験的なデータを採取し、以下の課題が明らかとなった。
1.同一測定物の複数回の測定結果が必ずしも安定しない。→測定対象物の表面劣化が進んでいる場合にはさらなるデータ収集の困難が予想され、対象物との接着面の工夫が必要になる。
2.試料の不足から、建材の風化による損耗度を測定できない。→リキア地の城壁建築で用いられている石灰岩と煉瓦材・モルタル材の風化速度を予め推定するためには、多量の試料が必要である。もしトルコ・日本での現地調査ができない場合には、日本で入手可能で「物性的にリキアの石灰岩と最も近い石材」を確定したうえで試料を集め、弾性波速度試験機によるデータの蓄積が必要である。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K20721
- 体系的課題番号 : JP20K20721