共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

パーソナル高臨場感音場再生用スピーカの特徴の解明と音響システムの実現

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
19K12053
体系的番号
JP19K12053
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

近年、指向特性の鋭いスピーカとして期待されていたパラメトリックスピーカが、モノラル再生では実用のレベルに達してきた。指向特性が鋭いため、パーソナルな環境の実現可能な情報伝達手段として期待できる。申請者は予備試験において、このパラメトリックスピーカを2個用いて、頭部伝達関数を信号処理することで、新たな知見として、通常のスピーカでは実現不可能なパーソナルに水平面内の前後左右の全方向の音像定位感を付与できる可能性を明らかにした。本研究の目的は、この新たな知見を聴覚特性に基づいて詳細に検討することを目標としている。
パラメトリックスピーカの基本的な音響特性を測定するために、2ch再生システムの構築を行った。まず、不足している2ch再生システム構成品の整備・点検と、必要な再生用スピーカの設計・製作を行った。その際、変調方式の検討も行い、パラメトリックスピーカは共振特性を有する多数の超音波振動子を利用することと周波数帯域がそれほど広くないことから、SSB変調方式を採用することを確認した。そして、パラメトリックスピーカによる2ch再生システムを構築した。構築したパラメトリックスピーカによる2ch再生システムのパラメータ設計と調整を行い、構築した2ch再生システムでの性能を聴取試験によって明らかにした。購入した頭部伝達関数測定用の機器を用いて頭部伝達関数が測定できるようにした。2019年では、当初の計画より計画を進めることができていたが、2020年になって、新型コロナウィルスの流行による諸般の事情のため、頭部伝達関数測定用の機器の納入が大幅に遅れ、頭部伝達関数測定に遅延が生じた。2021年は、コロナウィルスの感染防止の基準も緩和され、聴取試験も少しずつではあるが再開することができた。しかしながら、研究の進展が当初の計画よりまだ遅れている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K12053
ID情報
  • 課題番号 : 19K12053
  • 体系的番号 : JP19K12053