基本情報

所属
大阪大学 人間科学研究科 教授
早稲田大学 法学学術院 非常勤講師
(兼任)現代政治経済研究所 特別研究所員
学位
博士(学術)(2007年10月 早稲田大学)

研究者番号
30308233
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-5772-489X
J-GLOBAL ID
200901083564211240
Researcher ID
HNI-3653-2023
researchmap会員ID
6000012088

外部リンク

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野尻英一 1970年生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科卒、同大学院社会科学研究科博士後期課程(地球社会論専攻)修了。学術博士(早稲田大学)。早稲田大学社会科学部助手、同法学部非常勤講師、同社会科学部助教を経て、2010年度フルブライト研究員/シカゴ大学客員研究員、2013-2018年度自治医科大学医学部総合教育部門准教授などを歴任。現在、大阪大学人間科学研究科教授(比較文明学)および早稲田大学法学学術院講師(倫理学)。専門は哲学、倫理学、社会理論、政治理論。

【これまでに研究してきたこと】大学院では生命倫理学から哲学的生命論の研究に進み、主にヘーゲルの有機体論を研究しました。博士論文はヘーゲル『精神現象学』における有機体論の研究を主題としました。その後、有機体/生命の概念と共感性、想像力の概念との関係に主題を移しています。

【最近の研究テーマ】グローバリゼーションの時代における人間性と想像力について研究を進めています。近代的な社会構成が、グローバリゼーションの展開の中で、人間の主体性や文化に与える影響について、特に未来や希望につながる想像力に与える影響について、哲学、精神分析、社会理論、文学批評の手法を駆使しながら取り組んでいます。またここ数年「学際的自閉症研究会」を主宰しています。自閉症と定型発達における身体性、知覚、想像力などのちがいを手がかりとして既存諸学問分野の在り方を深く問い直し、さらに近代の文明、生活、文化、労働の在り方にまで思考を及ぼす学際・産学協同サロンの構築を開始しています。また早稲田大学を拠点とする「和解学」のプロジェクトにも参加し、哲学、精神分析、心理学の視点から、歴史認識、ナショナリズム、東アジアにおける和解の問題にも取り組み実績を上げています。

【最新の理論的成果】"Negativity, History, and the Organic Composition of Capital: Toward a principle theory of transformation of subjectivity in Japan" (2014) という論文では、ヘーゲルの否定性、ハイデガーの根源的時間性、コジェーヴの人間的欲望の次元の概念を経由することで、マルクスの「資本の有機的構成の高度化」の定式を人間の歴史的・社会的想像力のモード変化の定式に変換する試みをおこないました。現代日本の社会がグローバリゼーションの中で抱える精神的な閉塞状況について哲学と社会理論の手法を使った分析を施したものです。"Understanding Sensory-Motor Disorders in Autism Spectrum Disorders by Extending Hebbian Theory: Formation of a Rigid-Autonomous Phase Sequence" (2023) という論文では、心理学者とのコラボレーションを行い、自閉スペクトラム障害の広範な症状を神経回路基板で包括的に解明する新しい仮説を提唱する総説として、米国の評価の高いジャーナルに採用されました。この論文はシリーズの一部として発表されたもので、今後、哲学と神経科学における知見を関連付ける研究を予定しています。


【今後の課題】ドイツ観念論(カント、ヘーゲル、シェリング)に登場する「構想力」(人間の想像力)についての理論を、現代社会、現代文化の状況を説明するために書き直したいと考えています。そのための補助ツールとして、マルクスの社会理論やラカンの精神分析論を用いることになります。モデルとなるのは、現代米国の思想家フレドリック・ジェイムソンの「弁証法的批評」の方法です。ジェイムソンは、ヘーゲルが「否定性」という(誤解されやすい)語で指したものが歴史的・社会的な想像力につながることを見抜いていると思いますが、そのことをSF文学における想像力の問題(そこでは過去が未来になる)と結びつけて考えているところが面白いと思っています。スロヴェニアの思想家スラヴォイ・ジジェクの哲学と精神分析を融合した視点から、グローバル社会における政治理論を引き出す研究をはじめました。また歴史、政治、経済を可能にする想像力の機能の問題を、哲学や心理学の知見を経由して神経科学分野と結びつけ、創発的に相互の知見をバージョンアップする立場を目指しています。


共同研究・競争的資金等の研究課題

  16

書籍等出版物

  15

論文

  25

講演・口頭発表等

  47

MISC

  21

担当経験のある科目(授業)

  59

学術貢献活動

  51

社会貢献活動

  22