2000年
特性的自己効力感とネガティブな出来事に対する原因帰属および対処行動
性格心理学研究
- 巻
- 9
- 号
- 1
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 10
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.2132/jjpjspp.9.1_1
- 出版者・発行元
- 日本パーソナリティ心理学会
特性的自己効力感(GSE)の高さにより, ネガティブな出来事に対する原因帰属と対処行動にどのような違いがみられるかを検討した.238名の大学生に, 2つのネガティブな場面を想定させ, それに対する原因帰属と, どのような対処行動をとるかを評定させた.その後, GSE尺度に評定させ, その尺度値をもとに被験者を高群と低群に分けた.各場面を重要であると評定した者のデータ(両場面とも166名)を用いて分析した結果, 高群・低群間の原因帰属のパターンの違い方は, 男性と女性で異なっていた.男性においては, 高群は低群よりも内的で統制可能な要因に帰属する傾向がみられたのに対し, 女性においては, 高群は低群に比べ内的な要因には帰属しない傾向がみられた.また, 男女とも高群のほうが次回に対する課題固有の自己効力感や積極的な対処行動の評定値は高く, 帰属傾向の群間差がこれらの群間差に結びついていると考えられる.
- リンク情報