共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

尿酸値を対象とした遺伝要因および環境要因を交えた疾患リスク推定モデル構築の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
17K08682
体系的課題番号
JP17K08682
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円
資金種別
競争的資金

病気の原因には、個人が生まれながらに持つ遺伝的な要因と、個人個人が生活している環境の要因があります。そのため、個人個人の違いを考慮することで、より効果の高い治療を行うことができます。我々は尿酸値を研究対象としています。我が国の30歳以上の男性の約3割が高尿酸血症といわれています。高尿酸血症は痛風を引き起こします。その上、慢性腎臓病や心臓病の発症・進展のリスクを高めます。高尿酸血症の機序としては尿酸産生過剰、腎臓からの排泄低下、腸管からの排泄低下があります。尿酸値に影響を与えている因子を患者ごとに判断することで、より適切な対処法および治療薬を選択することができます。
平成29年度においては、尿酸再吸収にかかわるURAT1タンパク質、およびそれをコードするSLC22A12遺伝子の変異について、タンパク質実験およびRNA実験を行うことで、この遺伝子上に見られる変異がタンパク質の機能に影響を与えていることが示されました。
平成30年度は、これらの結果を踏まえ、東北大学東北メディカル・メガバンク機構が行うToMMoコホートToMMoコホート参加者のうち1,278人にみられるSLC22A12遺伝子上の変異を持つ人と持たない人の間で、尿酸値に差があるかどうかの解析を行いました。その際に、腎機能の指標であるeGFRと、血糖値の指標の一つHbA1c、さらに、尿酸値に影響が与えられていることが知られている年齢・性別・BMIの影響を、多変量解析で調べました。その結果、実験で尿酸再吸収に影響が強いことが示された変異は、コホート参加者の人たちの尿酸値にも、実際に影響があることが示されました。遺伝率に換算すると10%ほどは、これらの変異で説明されることがわかりました。
現在は、その解析結果を2つの論文にまとめ、投稿し、審査を受けています。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K08682
ID情報
  • 課題番号 : 17K08682
  • 体系的課題番号 : JP17K08682

この研究課題の成果一覧

論文

  3

MISC

  1

講演・口頭発表等

  6