2008年7月10日
Paroxetineとnortriptylineの薬物相互作用により錐体外路症状がみられた1例
臨床精神薬理
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- 巻
- 11
- 号
- 7
- 開始ページ
- 1343
- 終了ページ
- 1347
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)星和書店
Paroxetine(PRX)とnortriptyline(NT)はチトクロームP450(CYP)2D6によって主に代謝され、PRXは強いCYP2D6阻害作用を有する。今回我々は、PRX30mg/日とNT100mg/日の併用時に振戦が出現し、NTの中止により改善がみられた1例を経験した。NT25mg,PRX30mgの最終服用24時間後に測定したNTの血漿濃度は120ng/mLであり、シミュレーション・カーブからは、有害事象が出現した日の早朝には血漿NT濃度が310ng/mL以上になっていたと推計された。PRXによるCYP2D6阻害や同酵素の飽和によりNTの代謝が阻害されたため、血漿NT濃度が上昇し、PRXとの相乗効果で錐体外路症状が惹起されたものと推察された。薬物併用時に有害事象が生じた場合には、therapeutic drug monitoringが薬物相互作用の検出に有用と考えられた。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1343-3474
- 医中誌Web ID : 2008256496
- J-Global ID : 200902258397066508