共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2023年3月

陸域物質循環のカギを握る土壌団粒内で起こる炭素・窒素動態の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
20K21295
体系的課題番号
JP20K21295
配分額
(総額)
6,370,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
1,470,000円

1)初年度は、当初の計画通り日本で最も優占する農耕地土壌である火山灰土壌(アロフェン質黒ボク土、畑地Ap層)を対象に、炭素(および窒素)同位体標識したグルコースとアミノ酸を添加した培養実験を開始した。
2)また、土壌団粒構造の表面の内部の主要元素の組成や化学形態の変化を評価するための方法論の検討を行った。具体的には、XPS(X線光電子分光法)を用い、土壌粒子表面分析およびArスパッタリングにより数ナノメートルの深度プロファイルに沿った化学組成の変化を調べた。バルク土壌には植物残渣のような有機質粒子から鉱物粒子そして両者が複合体化した団粒の3タイプの土壌粒子が存在する。そこで、比重分画により、土壌炭素・窒素の半分以上が主にミクロ団粒として貯留する中比重画分を分離し、XPSの測定条件検討を行った。
3)具体的には、試料固定手法としてのカーボンテープの是非の検討、およびArスパッタリングの条件検討を行った。炭素(C 1sスペクトル)については、低結合エネルギー側からC-C/C-H, C-O, C=O, O=C-Oの4タイプに分離評価できることが確認でき、バルク試料の固体13C-NMR 分析から得られる炭素の官能基タイプごとの存在量と整合的な結果が得られた。またスパッタリング前後の比較から、表面にC-O結合炭素が局在化している可能性が示唆された。窒素(N 1sスペクトル)については、アミド結合(C-N)が主体であること、Arスパッタリングにより若干のピーク形状変化が起こることが分かった。酸素、アルミニウム、鉄のピーク強度・形状の解析も今後行う計画である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K21295
ID情報
  • 課題番号 : 20K21295
  • 体系的課題番号 : JP20K21295

この研究課題の成果一覧

論文

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