共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

筋骨格・骨のイメージベース力学解析の有機的連携構築と骨疾患の治療戦略抽出への展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H02032
配分額
(総額)
17,680,000円
(直接経費)
13,600,000円
(間接経費)
4,080,000円

本研究では,筋骨格シミュレーションから得られる各筋力,関節反力を荷重条件とする骨の有限要素法解析(FEA)・骨リモデリングシミュレーションの計算フレームワークの確立,高速・高精度なFEモデル構築のための骨のCT画像に対するセグメンテーション技術の開発,これらを用いた変形性股関節症(HOA)歩行時の筋力変化と骨の応力分布の変化の解明・術後の股関節周囲の骨リモデリング予測を目的としている.令和元年度は,特に計算フレームワーク基盤,セグメンテーション技術を開発するとともに,人工股関節全置換(THA)術前後のOA患者の歩行動作の取得を行った.研究実績は,以下の3点にまとめられる.
1.筋骨格シミュレーションシステムとしてAnybody Modeling System(AMS),骨のイメージベースFEモデリングにMechanical Finder(MF),ソルバとして大規模FEAに対応したFrontISTRを用い,これらの連携のため,各システム間のデータコンバータを開発した.また,THA術前のHOA患者2名の歩行動作を例に,構築した計算フレームワークの有用性を評価した.
2. 骨の三次元イメージベースモデル構築に不可欠でありながら,膨大な手作業を要し,現状のネックである二次元の医用画像からの特徴点の抽出と,セグメンテーション(注目領域の抽出)の高精度・高速の自動実現のため,Boostingと進化計算手法を用いたセグメンテーション支援手法を開発・提案し,そのツールの実装を行った.
3. HOA患者の歩行解析の統計分析を目的とし,横浜市立大学整形外科にてTHA術を予定したHOA患者20例に対し,術前に説明と同意を得た後,両股関節X線および,第1腰椎から大腿骨遠位端までCT画像撮影と骨密度測定, 歩行動作計測を行い,解析対象データの蓄積を進めた.

ID情報
  • 課題番号 : 19H02032