2019年4月 - 2022年3月
中性子線の先駆的利用によるBRD4選択的阻害剤の創出
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
転写調節因子であるBromodomain-containing protein 4 (BRD4)の阻害剤は血液のがんの治療着として有望であるが、既存のBRD4阻害剤は男性不妊などの副作用が懸念されている。本研究は、より特異的なBRD4の阻害剤を、中性子を用いた新しい手法で開発することを目的としている。本研究は3年間で行うことを予定しており、当該年度はその初年度にあたる。初年度は、中性子結晶構造解析に使用するBRD4の大型結晶の作成方法の確立と、イソリキリチゲニンやその誘導体とBRD4の相互作用における熱力学的パラメーター(ΔG, ΔH,-TΔS)を等温滴定カロリメトリによって決定した。
BRD4-コルヒチン複合体の結晶については、約2 mm3程度の、中性子結晶構造解析を行える結晶が得られた。一方で、BRD4-イソリキリチゲニン複合体の結晶については、大型結晶作成が困難であり、例えば、BRD4-コルヒチン複合体の結晶をイソリキリチゲニン溶液でバックソークするなどの工夫が必要である。
等温滴定カロリメトリについては、複数のイソリキリチゲニン誘導体とBRD4の相互作用における熱力学的パラメーターを決定した。引き続き、等温滴定カロリメトリを行い、コルヒチンやJQ1、そして他のイソリキリチゲニン誘導体の結合における熱力学的パラメータの決定を行う。イソリキリチゲニン誘導体の等温滴定カロリメトリ実験は研究計画にはなかったが、本研究の目的であるBRD4特異的阻害剤の開発を推進すると考えたため、行ったものである。
BRD4-コルヒチン複合体の結晶については、約2 mm3程度の、中性子結晶構造解析を行える結晶が得られた。一方で、BRD4-イソリキリチゲニン複合体の結晶については、大型結晶作成が困難であり、例えば、BRD4-コルヒチン複合体の結晶をイソリキリチゲニン溶液でバックソークするなどの工夫が必要である。
等温滴定カロリメトリについては、複数のイソリキリチゲニン誘導体とBRD4の相互作用における熱力学的パラメーターを決定した。引き続き、等温滴定カロリメトリを行い、コルヒチンやJQ1、そして他のイソリキリチゲニン誘導体の結合における熱力学的パラメータの決定を行う。イソリキリチゲニン誘導体の等温滴定カロリメトリ実験は研究計画にはなかったが、本研究の目的であるBRD4特異的阻害剤の開発を推進すると考えたため、行ったものである。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K07012
- 体系的課題番号 : JP19K07012