2019年4月 - 2022年3月
シミュレーション医療教育標準化のための日本発仮想患者モジュールの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究で提案する仮想患者モジュールにおける血行動態制御モデルでは、より実際の臨床に近い血行動態変化をマイコン等に実装可能とするシンプルなアルゴリズムが必要となる。このため、順調に推移する透析患者では、最低血圧を心拍数で除したパラメータがほぼ一定となるという知見に基づき、最低血圧と心拍数の除した値(血管抵抗に1回拍出量を乗じたものであるため以後RSVと称する)を目標値とした制御アルゴリズムについて検討した。その結果、失血時の血圧変化に対して、より生体に近い挙動を示すことが確認された。
また、臓器・感覚器モデルの試作研究として、硬度が低く生体組織に近い特性を有するPUゲルをシリコン薄膜で被覆し、PVAゲルと架橋剤の混和物をコーティングした模擬血管を埋め込むことにより防漏性を持たせた新しい表層血管モデルを開発し、その有用性を検証した結果、モデル下部に圧力センサを埋め込み、さらにウェアラブルトレーニングシステムとすることで、より臨床に近い穿刺トレーニングが可能となった。
さらに医療従事者のカテーテル操作の客観的評価のため、9軸加速度センサによるカテーテルの動作記録システムと、荷重測定デバイスを内蔵した気道モデルを試作し、カテーテル操作の客観的評価に基づくトレーニングが実現できる可能性が示唆された。
本年度は、新たに仮想医療機器モジュールとしての人口呼吸器シミュレータと食道心エコーシミュレータの開発に着手した。その結果、呼吸モデルと血行動態モデルが有機的に連動するソフトウェアが完成し、新型コロナ問題により緊急の課題となっているECMO操作人材の不足を補うための遠隔指導システムへの展開を模索中である。食道心エコーシミュレータについては、処理速度の高いPCを用いることで、実機に近い表示速度を達成できることが確認されたため、手術室シミュレーションシステムの組み込みを検討している。
また、臓器・感覚器モデルの試作研究として、硬度が低く生体組織に近い特性を有するPUゲルをシリコン薄膜で被覆し、PVAゲルと架橋剤の混和物をコーティングした模擬血管を埋め込むことにより防漏性を持たせた新しい表層血管モデルを開発し、その有用性を検証した結果、モデル下部に圧力センサを埋め込み、さらにウェアラブルトレーニングシステムとすることで、より臨床に近い穿刺トレーニングが可能となった。
さらに医療従事者のカテーテル操作の客観的評価のため、9軸加速度センサによるカテーテルの動作記録システムと、荷重測定デバイスを内蔵した気道モデルを試作し、カテーテル操作の客観的評価に基づくトレーニングが実現できる可能性が示唆された。
本年度は、新たに仮想医療機器モジュールとしての人口呼吸器シミュレータと食道心エコーシミュレータの開発に着手した。その結果、呼吸モデルと血行動態モデルが有機的に連動するソフトウェアが完成し、新型コロナ問題により緊急の課題となっているECMO操作人材の不足を補うための遠隔指導システムへの展開を模索中である。食道心エコーシミュレータについては、処理速度の高いPCを用いることで、実機に近い表示速度を達成できることが確認されたため、手術室シミュレーションシステムの組み込みを検討している。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H03877
- 体系的課題番号 : JP19H03877
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
5-
人工呼吸 38(2) 162-168 2021年11月 査読有り筆頭著者責任著者
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医工学治療 33(1) 21-29 2021年3月 査読有り責任著者
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PloS one 16(3) e0249010 2021年 査読有り責任著者
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SAGE OPEN NURSING 6 2020年10月 査読有り筆頭著者責任著者
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医学教育 51(5) 561-563 2020年10月 招待有り筆頭著者責任著者
講演・口頭発表等
1-
医工学治療 2020年4月 (NPO)日本医工学治療学会