共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

シミュレーション医療教育標準化のための日本発仮想患者モジュールの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H03877
体系的課題番号
JP19H03877
配分額
(総額)
15,990,000円
(直接経費)
12,300,000円
(間接経費)
3,690,000円

本研究で提案する仮想患者モジュールにおける血行動態制御モデルでは、より実際の臨床に近い血行動態変化をマイコン等に実装可能とするシンプルなアルゴリズムが必要となる。このため、順調に推移する透析患者では、最低血圧を心拍数で除したパラメータがほぼ一定となるという知見に基づき、最低血圧と心拍数の除した値(血管抵抗に1回拍出量を乗じたものであるため以後RSVと称する)を目標値とした制御アルゴリズムについて検討した。その結果、失血時の血圧変化に対して、より生体に近い挙動を示すことが確認された。
また、臓器・感覚器モデルの試作研究として、硬度が低く生体組織に近い特性を有するPUゲルをシリコン薄膜で被覆し、PVAゲルと架橋剤の混和物をコーティングした模擬血管を埋め込むことにより防漏性を持たせた新しい表層血管モデルを開発し、その有用性を検証した結果、モデル下部に圧力センサを埋め込み、さらにウェアラブルトレーニングシステムとすることで、より臨床に近い穿刺トレーニングが可能となった。
さらに医療従事者のカテーテル操作の客観的評価のため、9軸加速度センサによるカテーテルの動作記録システムと、荷重測定デバイスを内蔵した気道モデルを試作し、カテーテル操作の客観的評価に基づくトレーニングが実現できる可能性が示唆された。
本年度は、新たに仮想医療機器モジュールとしての人口呼吸器シミュレータと食道心エコーシミュレータの開発に着手した。その結果、呼吸モデルと血行動態モデルが有機的に連動するソフトウェアが完成し、新型コロナ問題により緊急の課題となっているECMO操作人材の不足を補うための遠隔指導システムへの展開を模索中である。食道心エコーシミュレータについては、処理速度の高いPCを用いることで、実機に近い表示速度を達成できることが確認されたため、手術室シミュレーションシステムの組み込みを検討している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H03877
ID情報
  • 課題番号 : 19H03877
  • 体系的課題番号 : JP19H03877

この研究課題の成果一覧

論文

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講演・口頭発表等

  1