2020年4月 - 2023年3月
ASEAN開発途上国の事業継続性を高める震動低減基礎構法の開発に関わる基礎研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
2021年度はASEANお熱帯雨林気候下における震動低減基礎構法の機械的特性を把握するために、高温高湿槽とアクチュエータを組み合わせた実験装置を作成し、様々な環境パラメータに対する摺動試験を実施する予定であった。しかし、半導体の納期の遅れなどが影響して、高温高湿槽の納品が2022年1月となり、2021年度中の実験実施は困難となった。
ただし、これに代わり、高速加振下における摺動試験を行った。これまで、摩擦力測定装置(IMADA; MH2-500N)用いて摺動面の摩擦係数を測定していた。しかし、本装置の加力速度は最大でも300 mm/sであり、実際の地震時の摺動速度と比べると顕著に低い。そこで、この摺動機構を設置した構造物を想定して、約1,000 kgの錘を積載した摺動体を構築して、最大で速度0.5 m/sの加振下における振動特性を把握した。この結果、最大加速度および最大変位については、面圧の増加とともに大きくなることを確認できた。面圧を大きくすると基礎サイズを小さくすることができるため有効であるが、応答は増える結果となるため、面圧には適度な大きさがあることが分かった。
一方、このような摺動機構に特化した研究を進めてきたが、実際にASEAN諸国に適用するためには、本機構を用いた設計手法を確立することが急務であることに気づいた。また、熱帯地域には顕著な風速を発生するハリケーンが出現し、設計を進める上でこのような強風に対する対策を講じる必要があることも分かった。これらのことから、基礎が滑動したことによる杭-パイルキャップの変形の把握と、強風時にシアピンが基礎に貫入され水平移動を抑制する機構の開発を別途実施した。
これらの結果を、2022年日本建築学会大会学術講演梗概集に4編掲載した。
ただし、これに代わり、高速加振下における摺動試験を行った。これまで、摩擦力測定装置(IMADA; MH2-500N)用いて摺動面の摩擦係数を測定していた。しかし、本装置の加力速度は最大でも300 mm/sであり、実際の地震時の摺動速度と比べると顕著に低い。そこで、この摺動機構を設置した構造物を想定して、約1,000 kgの錘を積載した摺動体を構築して、最大で速度0.5 m/sの加振下における振動特性を把握した。この結果、最大加速度および最大変位については、面圧の増加とともに大きくなることを確認できた。面圧を大きくすると基礎サイズを小さくすることができるため有効であるが、応答は増える結果となるため、面圧には適度な大きさがあることが分かった。
一方、このような摺動機構に特化した研究を進めてきたが、実際にASEAN諸国に適用するためには、本機構を用いた設計手法を確立することが急務であることに気づいた。また、熱帯地域には顕著な風速を発生するハリケーンが出現し、設計を進める上でこのような強風に対する対策を講じる必要があることも分かった。これらのことから、基礎が滑動したことによる杭-パイルキャップの変形の把握と、強風時にシアピンが基礎に貫入され水平移動を抑制する機構の開発を別途実施した。
これらの結果を、2022年日本建築学会大会学術講演梗概集に4編掲載した。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K04670
- 体系的番号 : JP20K04670