2019年4月 - 2022年3月
痛み評価尺度Paediatric Pain Profile日本語版の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
2020年度は、2つの調査を実施した。
第一に、昨年度に信頼性と妥当性を実証した痛み評価尺度Paediatric Pain Profile(PPP)日本語版を使用して、観察者の属性が痛みの評価に与える影響を調査した。重症心身障害児1名の痛み録画場面を、看護師28名が見て痛み行動反応を評価し、Spearmanの順位相関係数を求めた結果、看護経験年数との有意な関係は認められなかったため、経験年数を問わず使用できる尺度であることが考えられた。次に、重症心身障害児30名の痛み録画場面を、それぞれの子どもの担当看護師1名とそうでない看護師1名が個別にみて評価し、Mann-Whitney U検定を用いて検証した結果、担当看護師群の方が、痛みスコアを有意に高くつけていた(p=0.005)。担当看護師などいつもその子どもを看ている観察者の痛みスコアを基準として、痛みの強さをアセスメントする必要性が考えられた。
第二に、PPP日本語版の実用性を検証するため、看護師24名が尺度を継続的に使用した後に、尺度項目の明瞭さと評価にかかった時間や使いやすさ、尺度の必要性、看護師の痛みの捉え方の変化を質問紙調査した。その結果、不明瞭であると判断されたのが1項目あり、痛みの原因や行動反応を捉えることが難しい看護師ほど尺度の必要性を感じていた。
【2020年度掲載論文】
Okita M, et al. (2020) Reliability and validity of the Japanese version of the Paediatric Pain Profile for children with severe motor and intellectual disabilities. PLoS ONE 15(12): e0243566
第一に、昨年度に信頼性と妥当性を実証した痛み評価尺度Paediatric Pain Profile(PPP)日本語版を使用して、観察者の属性が痛みの評価に与える影響を調査した。重症心身障害児1名の痛み録画場面を、看護師28名が見て痛み行動反応を評価し、Spearmanの順位相関係数を求めた結果、看護経験年数との有意な関係は認められなかったため、経験年数を問わず使用できる尺度であることが考えられた。次に、重症心身障害児30名の痛み録画場面を、それぞれの子どもの担当看護師1名とそうでない看護師1名が個別にみて評価し、Mann-Whitney U検定を用いて検証した結果、担当看護師群の方が、痛みスコアを有意に高くつけていた(p=0.005)。担当看護師などいつもその子どもを看ている観察者の痛みスコアを基準として、痛みの強さをアセスメントする必要性が考えられた。
第二に、PPP日本語版の実用性を検証するため、看護師24名が尺度を継続的に使用した後に、尺度項目の明瞭さと評価にかかった時間や使いやすさ、尺度の必要性、看護師の痛みの捉え方の変化を質問紙調査した。その結果、不明瞭であると判断されたのが1項目あり、痛みの原因や行動反応を捉えることが難しい看護師ほど尺度の必要性を感じていた。
【2020年度掲載論文】
Okita M, et al. (2020) Reliability and validity of the Japanese version of the Paediatric Pain Profile for children with severe motor and intellectual disabilities. PLoS ONE 15(12): e0243566
- ID情報
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- 課題番号 : 19K11031
- 体系的課題番号 : JP19K11031
この研究課題の成果一覧
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講演・口頭発表等
1-
第40回日本看護科学学会学術集会 2020年12月13日