共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年 - 2006年

野生カワウ個体群のエコトキシコゲノミクス

文部科学省  科学研究費補助金(萌芽研究)  萌芽研究

課題番号
17651030
体系的課題番号
JP17651030
担当区分
連携研究者
配分額
(総額)
3,400,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

フッ素置換化合物(perfluorinated compounds : PFCs)の毒性影響に関する情報は限定されており,ヒトや野生生物へのリスクを評価するには不十分である。本研究では,オリゴアレイより得られた遺伝子発環プロファイルデータを用いて,PFCs濃度依存的に発現が変動する遺伝子群をスクリーニングし,PFCsによる毒性影響を予測した。さらに,同一個体で測定したダイオキシン類の蓄積濃度データを解析に加え,PFCsとダイオキシン類による複合毒性影響の評価を試みた。遺伝子発現レベルとPFCs蓄積濃度との関係を解析した結果,PFCs応答遺伝子の候補として74種類の遺伝子が挙げられた。そのうち,glutathione peroxidase 1(GPX1), glutathione S-transferase alpha 3(GSTA3), heat shock 70 kDa protein 8(HSPA8), tumor rejection antigen 1(TRA1)のmRNAレベルをreal-time RT-PCRで定量したところ,PFOS蓄積濃度とGPX1およびGSTA3の間に正の関係が,PFOSとHSPA8およびTRA1の間に負の関係が検出された。したがって,PFOSあるいはその他のPFCsによって,これらの遺伝子はそれぞれ正または負の制御を受けていると推察された。また、重回帰分析の結果,7種類の遺伝子の発現量は,PFCsおよびダイオキシン類の蓄積濃度によって説明可能であり,それらは複合的な影響を受けていることが示唆された。例えば,CYP1A mRNA発現量は,PFNAと2,3,7,8-TCDD毒性換算等量によって説明された。さらにCYP1Aタンパク質発現量およびEROD活性も同様であった。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/17651030.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17651030
ID情報
  • 課題番号 : 17651030
  • 体系的課題番号 : JP17651030