新型コロナウイルス感染症拡大の防止により,2020年度の大学教育は,対面授業を前提とした授業形態から,遠隔授業への変更を余儀なくされた。本稿では,聖路加国際大学の看護学部1年生と学士編入3年次を対象に展開した「People-Centered Care Nursing論(PCCN論)」科目の中で,リアルタイムのオンライン授業で実施した遠隔教育の取り組みの概要とその課題を報告する。この講義では,学生が看護職から直接,急性期看護,在宅看護,予防医療,国際看護における異なる場で,PCCが具体的にどのように行われているのかについて話を聴くことができた。PCCN論の中でも看護実践を紹介するこの部分をリアルタイム講義にしたことで,実際の様子が学生に伝わりやすく,学生の興味・関心が湧き,理解を深められる機会になっていた。今後も,遠隔授業における効果的かつ魅力的な科目内容と教授方法に向けて更なる検討を重ねていきたい。(著者抄録)