共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2022年3月

日本仏教教育の戦前と戦後の連続性と非連続性―宗教教育の公共性に向けて―

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
17K04587
体系的課題番号
JP17K04587
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円
資金種別
競争的資金

平成30年度は、前年度に引き続いて資料収集と各研究分担の研究状況の検討会を中心に研究を進めた。資料収集については分担を決め、川村は浄土真宗関係を、笹田は臨済宗関係を、小池は曹洞宗関係を担当した。
川村は、北海道の開教で大きな力を発揮した真宗大谷派の活躍に注目し、同派札幌別院で明治期から第二次大戦後までの仏教教育・仏教教化の資料調査を行った。また、国立国会図書館および真宗および浄土宗の宗門大学で資料調査を行った。笹田は、禅の修養と間宮英宗関連の資料、および教育雑誌『興亜教育』と宗教新聞『中外日報』に掲載された昭和10年代から終戦時までの宗教教育、仏教教育に関する論文と記事を収集調査した。小池は、戦後の曹洞宗教学部の教化資料として注目される布教講話集の収集を行った。
特に今回は、ハワイの開教に注目し、川村と笹田が、ハワイにある浄土真宗、浄土宗、曹洞宗の別院、更にハワイ日本文化センターを訪問し、日系人に対する仏教教育・仏教教化に関する資料収集を行った。開教使が記した当時の日誌や別院発行の新聞や機関誌等の貴重な資料を閲覧し、コピーした。また種々の教化・教育のテクストを購入した。
研究検討会は3回行った。第1回は、7月22日、第2回は10月28日に共に秋田大学東京サテライトで、第3回は平成31年1月30日・31日の両日に秋田大学中央図書館共同研究室で行った。
当初計画した仏教教育を実践した元教師や宗教者の聞き取り調査は調査対象となる人選ができず、30年度は見合わした。また敗戦後の占領期のGHQの影響についても十分な分析はできなかった。しかし、今までの研究を背景にして近代日本における戦前期の仏教教化と仏教教育については十分な研究ができ学会発表等を行った。我々の研究はどこまでも仏教の教化や教育の果たした功罪を近代日本全体のなかで教育学的に捉えようとするものである。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K04587
ID情報
  • 課題番号 : 17K04587
  • 体系的課題番号 : JP17K04587

この研究課題の成果一覧

論文

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