基本情報

所属
東京理科大学 教養教育研究院 神楽坂キャンパス教養部 准教授
学位
博士(文学)(北海道大学)

連絡先
bugaevars.tus.ac.jp
J-GLOBAL ID
200901082956123075
researchmap会員ID
6000016673

外部リンク

私の研究の目的は、現在消滅の危機に瀕しているアイヌ語についての貴重な知見を保存・蓄積し発展させることです。アイヌ語は日本で伝統的に話されている唯一の非日本語族の言語ですが、系統は不明で、今のところ孤立語とされています。おそらく非常に古い語族の名残りであり、古代の日本列島の文化の遺物と見なすことができるでしょう。

アイヌ語についての私の研究は日本の優れた専門家、とりわけ私の受け入れ研究者であった中川裕教授ならびに博士論文の指導教授であった佐藤知己教授の研究と指導を基礎にしています。私は両氏から実際のアイヌ語のフィールドワークの手ほどきを受けました。欧米で言語ドキュメンテーションが研究分野の一つとして成立する50年も前から、日本の研究者たちはアイヌ語の詳細なドキュメンテーションに取り組んできました。

博士課程の学生として、私は記述の乏しかったアイヌ語千歳方言の最後の話し手の一人を対象にフィールドワークをおこない、テクストを書き起こし、文法の概略を著しました。それ以来、アイヌ語の統語法をより深く明確に理解し、言語類型論が示す世界のきわめて多様な言語の分析の枠組みのなかにアイヌ語を位置づけるべく、アイヌ語と世界の諸言語の文法構造を比較してきました。アイヌ語の文法が持つ稀有でユニークな多くの特徴を明らかにし、それによって、世界の言語学にアイヌ語の重要な意義を知らしめることが目標です。

最近は、日本語との接触によって引き起こされたアイヌ語文法の変化に注目しています。これは従来の研究ではあまり扱われてこなかった問題です。アイヌ語と日本語は構造的に大きく異なるにもかかわらず、一部の分析的な構文が逐語的に対応することなど、驚くべき類似点も見られます。このような事実は接触による言語変化を示唆するものです。

研究分野

  1

委員歴

  9

論文

  45

MISC

  24

書籍等出版物

  17

講演・口頭発表等

  94

担当経験のある科目(授業)

  20

共同研究・競争的資金等の研究課題

  14