基本情報

所属
日本大学 理工学部物理学科 特任教授
学位
博士(工学)(京都大学)

研究者番号
80357863
J-GLOBAL ID
200901080647302604
researchmap会員ID
6000017270

電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)に入所して以来、磁場閉じ込め核融合の研究に従事し、逆磁場ピンチ方式(RFP)による高ベータプラズマの生成・閉じ込めの分野で、多くの成果をあげた。2008年に同所を退職した後は、日本大学理工学部物理学科の核融合研究グループに所属し、同グループで稼働中の、RFPとは異なった磁場配位を持つ逆転磁場方式(FRC)装置NUCTEにおいて、引き続き高ベータプラズマ閉じ込めの研究を行っている。RFPの研究においては、以下に示すようにスケールの大きな実験装置を順次製作して、プラズマ維持時間の伸長と閉じ込め性能の向上を実現した。TPE-1 (ドーナツ型の小半径/大半径=5/40cm, プラズマ電流~50kA, プラズマ持続時間~0.04ms)、TPE-1R (10/50cm, ~200kA, ~0.15ms)、TPE-1RM (9/50cm, ~130kA, ~1ms)、 TPE-1RM15 (13.5/70cm, ~250kA, ~10ms)、TPE-1RM20 (19/75cm, ~280kA, ~16ms)、 TPE-RX (45/172cm, ~500kA, ~120ms)。これらの装置を用いた実験により、世界の逆磁場ピンチ研究を先導する成果をあげることができ、最後の大型実験装置TPE-RXでは最大プラズマ電流Ip~500kAで放電時間~90ms (Ip~250kAでは~120ms) を実現して、エネルギー閉じ込め時間~1msと電子温度~1000万度Kを得ることができた。FRCの研究においては、最初の磁場配位の形成法の、一層の効率向上を実現する方策を探るため、真空容器やフランジなどの金属製部分に流れる誘導電流を考慮に入れた、磁場分布の計算機プログラムを開発し、磁場発生コイルやフランジなどの配置と、磁場立ち上げ波形とタイミングの最適化を目指した計算を進めている。これら高温の高ベータプラズマ中の磁場の分布を計測する手法を開発するため、低エネルギー・高電流密度のイオンビームの開発を行ってきたが、その過程で100eV以下という極低エネルギーイオンビームにおいて、その発散を抑え、数mA/平方cmという高い電流密度を実現する手法を見出した。このように低いエネルギーのイオンビームは、磁場計測だけでなく新材料生成などに応用できる可能性を持っており、今後の研究の進展が期待できる。

学歴

  2

論文

  49

産業財産権

  8