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【論文補足】「清輔本『金葉和歌集』の再建に向けて」P271

舟見[2021]「清輔本『金葉和歌集』の再建に向けて」(『実践女子大学文芸資料研究所年報』40)において、書き記しておくべき説明が抜けていることに気が付きました。
後にまとめる際に追記する予定ですが、急ぎこちらに記しておくことにします。

 

・箇所:P271〜272

・内容:B類奥書のうち、「朱筆彼本勘物也」に関わる説明がすべて抜け落ちています。書くべき内容は以下の3点でした。

 

①「朱筆彼本勘物也」は、上部の「以大進殿本校了」と同じく、本来は注記であったと推定する。

②この注記は、左隣本行の「木工歌校散木集了、付件説歌以別紙書入了」にかかるものであり、文意は、別紙に書き入れて貼り付けた「件説歌」は「彼本」=「大進殿本」の勘物である、と解する。

③なお、「朱筆」とは、別紙に書き入れた勘物が朱筆であったの意か。しかしやや落ち着きが悪い。「朱筆」という文言のない写本も三点あるので、「『彼本勘物也』という文章が朱筆で書かれている」という意の後人注記(注記に対する後人注記ということ)が、本行化してしまったとも考えうる。

 

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