共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2023年3月

教師・学習者の発展的な思考・態度を習慣化する授業実践モデルの開発

学術研究助成基金助成金  基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K02518
体系的課題番号
JP18K02518
担当区分
研究分担者
資金種別
その他

自律的発展型授業が可能な教師の意識変容モデルを援用し,授業分析用の授業評価ルーブリックを開発し,分析のための観点と基準解釈の整備を行った。
その結果,「教材を知る」「反応を知る」「思考を知る」「展開を知る」「数学することを知る」の観点に対して,「十分知っている」「知っている」「知らない」の基準を明確にするとともに,その判断根拠となる評価対象も示すことができた。さらに,「数学することを知る」の検討から,教師の自律的発展型授業の意識を捉える必要があり,アーネスト(2015)の絶対主義,可謬主義を参考にして,教師の意識には,学習者の問題解決を制御したいとする絶対的固定的な見方・考え方,学習者の自律的な問題解決を支援したいとする可謬的可変的な見方・考え方が現れると想定し,2つの見方・考え方を対立的に例示し5件法回答で反応を得る調査を実施した。その結果,想定の傾向が現れることと,可謬的可変的な見方・考え方を持ちつつも,絶対的固定的な見方・考え方に引き戻される教師の意識を明らかにした。
また,学習者が自律的に数学的活動を遂行することを可能にするため,数学的活動の授業構成モデルを活用した課題学習の実践についても研究を進め,焦点化した問題から遡って授業構成することで,数式がもつ意味や数学的背景を考えることができ,数学的活動が意識化されるとの考えから,モデルを開発し,実践による検証を行った。その結果,教師が発展的思考・態度の育成に注視して指導することで,学習者の自律的な数学的活動が生起されることが明らかになるとともに,学習者が焦点化した問題から遡って日常生活や社会の事象,数学の事象を見い出すためには,教師がメタ認知的支援を行うなどして,学習者の気付きを促すことが必要であることが見えた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K02518
ID情報
  • 課題番号 : 18K02518
  • 体系的課題番号 : JP18K02518