2005年 - 2006年
高機能性超天然タンパク質性モジュールの創製と薬剤学的応用に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は、遺伝子工学的手法とプロテオーム技術を駆使して、"天然由来の抗腫瘍性クロモホア結合性タンパク質"あるいは"低分子薬物を認識する抗体"を改変し、天然物が持っていない高精密機能を有する"超タンパク質"を創製し、医薬品の適正使用への臨床応用を提供するための基礎的研究を行うことを目的とした。
1)抗体の親和性・特異性に寄与するグリチルレチン酸(GA)構造を明らかにするために、AGA-1モノクローナル抗体に対して、GAを含む誘導体17種の化合物を阻害剤とした阻害ELISAを行った結果、胆汁酸類は阻害を示さなかったが、その他の化合物では阻害反応が認めら、GAのA環及び3位の水酸基、E環30位カルボニル基、そしてオレアナン骨格及びその11位のカルボニル基が抗体の認識に重要な構造であることを明らかにした。
2)続いて抗体のCDR-H3を含む各アミノ酸をアラニンに置換したrFabフラグメント抗体を調製し、ELISAによりGA結合BSAとの反応性を検討した結果、CDR-H3ループの根本付近であるFR付近に位置するアミノ酸構造の重要性が示唆された。
3)さらに、AGA-1および作製した各rFabの反応性に関して、センサーチップCM5に抗原であるグリチルレチン酸を結合させ、表面プラズモン共鳴分析法を用いる速度論的解析を行い、AGA-1 rFab及びCDR変異体rFab抗体のGA-BSAに対する結合速度定数をそれぞれ算出した。同時にグリチルレチン酸誘導体との反応性を阻害ELISAにて測定し、抗体の構造と低分子抗原の構造との関係を精査し、超天然タンパク質性モジュールの構造設計に資する有益な情報を得ることに成功した。
1)抗体の親和性・特異性に寄与するグリチルレチン酸(GA)構造を明らかにするために、AGA-1モノクローナル抗体に対して、GAを含む誘導体17種の化合物を阻害剤とした阻害ELISAを行った結果、胆汁酸類は阻害を示さなかったが、その他の化合物では阻害反応が認めら、GAのA環及び3位の水酸基、E環30位カルボニル基、そしてオレアナン骨格及びその11位のカルボニル基が抗体の認識に重要な構造であることを明らかにした。
2)続いて抗体のCDR-H3を含む各アミノ酸をアラニンに置換したrFabフラグメント抗体を調製し、ELISAによりGA結合BSAとの反応性を検討した結果、CDR-H3ループの根本付近であるFR付近に位置するアミノ酸構造の重要性が示唆された。
3)さらに、AGA-1および作製した各rFabの反応性に関して、センサーチップCM5に抗原であるグリチルレチン酸を結合させ、表面プラズモン共鳴分析法を用いる速度論的解析を行い、AGA-1 rFab及びCDR変異体rFab抗体のGA-BSAに対する結合速度定数をそれぞれ算出した。同時にグリチルレチン酸誘導体との反応性を阻害ELISAにて測定し、抗体の構造と低分子抗原の構造との関係を精査し、超天然タンパク質性モジュールの構造設計に資する有益な情報を得ることに成功した。
- ID情報
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- 課題番号 : 17590134
- 体系的課題番号 : JP17590134