基本情報

所属
東北大学 大学院農学研究科・農学部 応用生命科学専攻 分子細胞科学講座 分子生物学分野 助教
学位
博士(農学)(東北大学)

通称等の別名
(旧姓など)花田 志寿
J-GLOBAL ID
200901068988303790
researchmap会員ID
6000017653

外部リンク

経歴

  1

学歴

  1

委員歴

  2

論文

  16

MISC

  3

講演・口頭発表等

  39

社会貢献活動

  1

その他

  8
  • 2015年4月 - 2015年4月
    オキシトシン(OT)は主に視床下部で生産され下垂体後葉から分泌されオキシトシン受容体(OXTR)を介して脳内で神経伝達物質として社会行動、性的行動、母性や父性行動の発動に関与している。申請者のグループはOXTRのノックアウトマウスOXTR-KOを作製し、その行動解析の結果、当該マウスの母性行動や社会記憶が減衰することを明らかにした(Takayanagi, 2005)。さらに脳内の視索前野(MPA)外側中隔(LS)では母性行動時にOXTRの発現が上昇し、OXTRを発現している多くの神経細胞が活性化することを明らかにした(論文投稿準備中)。 情動・行動におけるOXTRの機能を詳細に解析するためには、In vivoでOXTR現細胞をマーキングしOXTR発現細胞に限局した遺伝子操作が極めて有効である。そこで申請者は、OXTRをコードするエキソン3の部位にDNA組み換え酵素Cre recombinase(Cre:loxPサイトと呼ばれるDNA配列を認識しDNA部位特異的組み換えを起こす酵素)とHAタグ(HA:ヘマグルチニン。ウイルス表面上に存在する抗原性糖たんぱく質でHAに対する抗体によってHAタグを付加した組み換えタンパク質の産生を可視化できる)を付加したOXTR cDNAを導入したOxtr-cDNAHA-Ires-Cre ノックインマウスの作製を行った。このマウスは①OXTR発現細胞特異的にCreを発現し、②OXTRの機能、発現を損なうことなくHAタグを付加し細胞内の局在解析を可能にする。Oxtr-cDNAHA-Ires-Cre ノックインマウスのCreの発現部位と酵素活性、HAタグの検出等のチェックを行い想定された機能を備えていることを確認した(Fig.1)。OXTRは視索前野、外側中隔のほか、扁桃体、海馬、大脳皮質などで発現が認められており(Yoshida, 2009) Oxtr-cDNAHA-Ires-Cre ノックインマウスのCreの発現領域はそれと一致した(論文投稿中)。それらの領域は相互連絡をして複雑なネットワークを形成し情動・社会行動に深く関与している脳内の領域である。Oxtr-cDNAHA-Ires-Cre ノックインマウスの最大の特徴はOXTR発現細胞特異的にCre を発現するためloxPサイトを介してOXTR発現細胞特異的なDNA組み換えができることにある。この性質は例えばAAV-FLEXベクターと組み合わせればOXTR発現細胞をラベルすることを可能にし、ラベルした細胞の活性を記録したり、Indicatorタンパク質の発現によってラベルした細胞を操作して活性化、または不活性化して神経回路を明らかにしたりその結果の行動の変化をみることができるようになる。AAV-FLEXベクターとは神経細胞に効率よく感染するAAVベクターにCre発現細胞においての
  • 2014年4月 - 2014年4月
    オキシトシン(OT)は主に視床下部で生産され①下垂体後葉から分泌されオキシトシン受容体(OXTR)を介して子宮収縮や乳汁射出、血圧や心拍数の調節など末梢組織でのホルモンとしての役割と②脳内で神経伝達物質として社会行動、性的行動、母性や父性行動の発動に関与している。近年OXTの投与が自閉症スペクトラム(ASD)の症状を緩和することが報告され、また自閉症患者群においてOXTRのアミノ酸置換を伴う一塩基置換も見いだされており1)自閉症等の発達障害の病態メカニズムの解明といった点でもOXT-OXTRシステムは注目されている。申請者のグループはOXTRのノックアウトマウスOXTR-KOを作製し、その行動解析の結果、当該マウスの母性行動や社会記憶が減衰することを明らかにした2)。さらにOXTR発現細胞を可視化できるOXTR-Venusマウス3)を解析し外側中隔のOXTR発現ニューロンのほぼ100%,扁桃体のOXTR発現ニューロンの30%が抑制性神経のGABAニューロンであることを見出した。また外側中隔では母性行動時にOXTRの発現が上昇し、OXTRを発現している多くの神経細胞が活性化することを示した(未発表データ)。扁桃体や外側中隔は海馬、視床下部、大脳皮質などと相互連絡をして複雑なネットワークを形成し情動・社会行動に深く関与している脳内の領域である。 情動・行動におけるOXTRの機能を詳細に解析するためには、In vivoでOXTR現細胞をマーキングしOXTR発現細胞に限局した遺伝子操作が極めて有効である。そこで申請者は今年度新たにOXTRをコードするエキソン3の部位にDNA組み換え酵素Cre recombinase(Cre:loxPサイトと呼ばれるDNA配列を認識しDNA部位特異的組み換えを起こす酵素)とHAタグを付加したOXTR cDNAを導入したOxtr-cDNAHA-Ires-Cre ノックインマウスの作製を行った。このマウスは①OXTR発現細胞特異的にCreを発現し、②OXTRの機能、発現を損なうことなくHAタグを付加し細胞内の局在解析を可能にする。Oxtr-cDNAHA-Ires-Cre ノックインマウスのCreの発現部位と酵素活性、HAタグの検出等のチェックを行い想定された機能を備えていることの確認に成功した。Oxtr-cDNAHA-Ires-Cre ノックインマウスの最大の特徴はOXTR発現細胞特異的にCre を発現するためloxPサイトを介してOXTR発現細胞特異的なDNA組み換えができることにある。この性質は例えばFLEX-AAVベクターと組み合わせればOXTR発現細胞をラベルすることを可能にし、ラベルした細胞の活性を記録したり、Indicatorタンパク質の発現によってラベルした細胞を操作して活性化、または不活性化して神経回路を明らかにしたりその
  • 2012年4月 - 2012年4月
    ストレスに応答する視床下部の特定の神経内分泌神経細胞を可視化しその細胞のみを収集することで高品質なトランスクリプトーム解析を行いストレス応答の分子機構を解明する。
  • 2010年4月 - 2010年4月
    コヒーレント光発光・分光技術を生物機能解析手法に導入した、非破壊法による可視化技術となる「一細胞顕微照射システム」を開発し、これまでのマクロ(動物個体、多細胞集団)な解析からミクロ(一細胞)における光応答反応を解析し、従来の方法では見出すことの出来なかった、機能を解明すると共に、本装置を動物など全生物を対象にした農学・医学等の分野での研究手法へと応用することである。
  • 2008年4月 - 2008年4月
    老化に伴う味覚減衰を抑える適切な栄養摂取を可能にする食の提案をめざし、老化遺伝子の情報の解析や老化スクリーニングの開発を行う
  • 2007年2月 - 2007年2月
    Cre recombinase誘導型TERT発現トランスジェニックマウスを作製しその組織から単離した組織由来の初代培養細胞に細胞透過性Cre recombinaseを作用させ正常機能を有したまま長期増殖可能な細胞株を樹立する。
  • 2006年4月 - 2006年4月
    東北大学工学研究科 井樋慶一教授との共同研究でCrh EGFP Cre knock in マウスの作製および解析を行う