2019年6月 - 2024年3月
臨界型非線形数理モデルにおける高次数理解析法の創造
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S) 基盤研究(S)
- 課題番号
- 19H05597
- 体系的課題番号
- JP19H05597
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 131,170,000円
- (直接経費)
- 100,900,000円
- (間接経費)
- 30,270,000円
研究代表者の小川は移流拡散方程式の高次元における時間大域的挙動について, 2次モーメントが有限の場合に有限時刻での解の爆発に関する最良と思われる初期条件に対する十分条件を同定し, さらに和久井洋司氏と共に初期2次モーメントが非有界の場合に解が有限時刻で爆発するか, 大域的に存在しても有界にとどまらないことを示した. また研究協力者の黒木場正城氏と共同で, 高速拡散型の退化移流拡散方程式の時間大域挙動を研究し, 時間大域解の時間無限遠での挙動がTalenti型の解に漸近することをEntropy dissipation 法と一般化対数Sobolev不等式を用いて示した.
さらに黒木場正城氏と共同で, 二つの成分の非線形連立放物型問題であるKeller-Segel 方程式の緩和時間無限大極限を考察した. この問題は化学物質の拡散が粘菌体の挙動よりも遅い場合を記述する問題で, 緩和時間極限の特異極限問題をFujita-Katoの原理に従うスケール臨界空間において証明した. 証明には臨界スケールにおける放物型方程式の最大正則性と, 複数の実補間空間を組み合わせた埋め込みなどの議論を必要とする. 結果として従来知られていなかった, 初期層を伴う特異極限が質量有限の現実的なモデル設定の下で空間3次元以上の臨界スケール空間で証明された.
また上記の研究に関連して, Shannonの不等式の一般化を研究し, 久保英夫氏(北大理)と勝呂剛志氏(東北大理・博士学生)らとともに, 対数型Sobolevの不等式のより弱い形態であるBecknerの不等式を考察し, その双対であるShannonの不等式と定数の漸近的最良性を証明するとともに, 対数型重みによる不確定性不等式の再良版を証明した. この不等式からHeisenbergの不確定性原理をはじめそのL1版などが導出される.
さらに黒木場正城氏と共同で, 二つの成分の非線形連立放物型問題であるKeller-Segel 方程式の緩和時間無限大極限を考察した. この問題は化学物質の拡散が粘菌体の挙動よりも遅い場合を記述する問題で, 緩和時間極限の特異極限問題をFujita-Katoの原理に従うスケール臨界空間において証明した. 証明には臨界スケールにおける放物型方程式の最大正則性と, 複数の実補間空間を組み合わせた埋め込みなどの議論を必要とする. 結果として従来知られていなかった, 初期層を伴う特異極限が質量有限の現実的なモデル設定の下で空間3次元以上の臨界スケール空間で証明された.
また上記の研究に関連して, Shannonの不等式の一般化を研究し, 久保英夫氏(北大理)と勝呂剛志氏(東北大理・博士学生)らとともに, 対数型Sobolevの不等式のより弱い形態であるBecknerの不等式を考察し, その双対であるShannonの不等式と定数の漸近的最良性を証明するとともに, 対数型重みによる不確定性不等式の再良版を証明した. この不等式からHeisenbergの不確定性原理をはじめそのL1版などが導出される.
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 19H05597
- 体系的課題番号 : JP19H05597