2009年
Application de la théorie des métaphores conceptuelles à l’apprentissage de locutions.
言語情報科学研究
- 巻
- 号
- 7
- 開始ページ
- 175
- 終了ページ
- 188
- 記述言語
- フランス語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 東京大学言語情報科学研究会
熟語の習得は外国語学習において重要であるにも関わらず、構成する語彙の意味から熟語全体の意味を予測することの難しさゆえに難解なものとされてきた。本稿では、認知意味論の立場から、熟語の動機付けを明らかにし、概念メタファー理論、概念メトニミー理論を用いることで熟語習得が容易となり、質の高い記憶が行えると主張する。そしてフランス語教育に応用可能であることを確認するために二つのケーススタディを行う。ケーススタディ1では、被験者が従来のやり方で熟語を暗記した場合と、認知意味論による動機付けの説明と共に学習した場合をテストの結果で比較する。ケーススタディ2では、同一の概念メタファーに基づくメタファー表現Aを提示し、概念メタファーの基盤を教え、同じ概念メタファーに属する表現Bの意味が予測可能かテストによって測る。またプライマリー・メタファーの提示により複合的なメタファーの習得が促進されるかを調べる。その結果、熟語学習に認知意味論を応用することで、概念レベルの理解を促進し記憶への定着を深め、さらには未知の熟語表現に出会った時にも推論の可能性を高めることが示された。よって認知意味論による熟語学習は「動機付け」のみならず「予測可能性」に関しても有用であると主張する。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1347-8931
- CiNii Articles ID : 120005245873
- CiNii Books ID : AA11831019