2017年3月
「伝説地」の文化財保護をめぐる動向と新たな取り組みについてー「記憶の場」の保存による地域アイデンティティ形成の視点からー
現代福祉研究
- 巻
- 号
- 第17
- 開始ページ
- 45
- 終了ページ
- 62
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会
近年、歴史学をはじめとする多くの学問分野において、「集合的(集団的)記憶」にもとづく研究が行われてきているが、文化財政策研究の観点から伝説地=「記憶の場」を文化財として捉え、その保存の沿革や活用という視点から分析し論じた研究は行われていない。そのため文化財としての「伝説地」をめぐる行政上の沿革や文化財として認知されることによってどのような波及効果が生まれてきているのかという諸点から考察した。その結果、東京都の場合、戦前からの歴史的な経緯の中で都民に親しまれてきていた「伝説地」という文化財の存在を認めることができたが、近年、「伝説地」を文化財概念から除くという文化財行政上ゆゆしき問題が生じている現状を指摘した。一方、東京都三鷹市の事例から「伝説地」が行政によって文化財登録された結果、伝説地=「記憶の場」が地域アイデンティティ形成に大きく貢献してきている状況を検証し紹介した。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1346-3349
- CiNii Articles ID : 120006027875
- CiNii Books ID : AA11583110