共同研究・競争的資金等の研究課題

江戸時代の学僧によるインド哲学研究


資金種別
競争的資金

日本において、サーンキヤ学派の根本テキストの漢訳注釈書である『金七十論』が研究された時期は、その注釈書類が存在する江戸時代中期から二百年ほどの間だけである。『正倉院文書』に『金七十論』が書写された記述があることから、その伝来は早かったことがわかる。しかし江戸時代以前に研究された形跡は見出しえない。それは現代の我々から見ると、江戸時代に突如として現れたかのように感じるが、当時の仏教研究を考察してみるとその要因の一つと考えられる学問的な要請を見出すことが出来る。
江戸時代におけるインド哲学研究はこれまでほとんど手付かずの状態であったため、それが発展した要因と全貌を明らかにすることを最終的な目標とする。